洋子の本棚
食えなんだら食うな 増補版

食えなんだら食うな 増補版

関大徹 ごま書房新社 2026年2月16日

執行草舟の『食えなんだら食うな』は、人生の本質を問う深い一冊です。タイトルの過激さに惹かれて手に取りましたが、予想外の思想的な豊かさに驚きました。 著者の厳しくも誠実な人生観は、現代社会の浮薄さへの痛烈な批判であり、同時に人間らしく生きることの尊厳を語っています。主婦として日々の家事や育児に追われていると、つい消費社会の価値観に流されてしまいがちですが、この本を読むとそうした迷いが一掃されます。 今回の増補版に追加された清水克衛氏への追悼文も素晴らしい。本書の発掘者であり書店経営者として人生を全うした清水氏の生き様を通じて、執行草舟の思想がより立体的に浮かび上がってきます。 決して読みやすい本ではありませんが、人文・思想書を愛する読み手にとっては大切な一冊。人生について真摯に考えたい時期に出会えて、本当に良かったと思います。