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ホテルローヤル

ホテルローヤル

桜木 紫乃 集英社 2015年6月25日

感想

直木賞受賞作ということで、話題性に惹かれて手に取った一冊だ。ラブホテルという限定的な空間を舞台にしながら、ここまで深い人間ドラマが描けるのかと驚いた。 男と女が一室で交わす時間は、決して艶めかしいだけではない。むしろ、互いの孤独がぶつかり、共鳴し、時に治癒される瞬間の連続だ。会社員として、人間関係の疲労を抱えている身としては、この「心も裸にする」という表現がすごく刺さった。表面的な付き合いではなく、本当の意味での相互理解を求める切実さが伝わってくる。 文庫版は読みやすく、短編というボリュームも仕事の合間に無理なく読める。人生経験を重ねた四十代だからこそ感じられる、この物語の豊かさと切なさがあると思う。現代人の孤独をテーマにした良質な文学作品として、強くお勧めしたい。

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