4TEEN
新潮社 | 2003/05/01
みんなの感想
話題の青春小説ということで手に取ってみました。月島という特定の町を舞台に、14歳の中学生たちが過ごす1年間を描いた短編集的な構成ですね。 正直なところ、期待していた以上にも以下にもなりませんでした。題材としては惹かれるものがあります。14歳という年代の、まだ大人になりきっていない揺らぎの中で、彼らがどう葛藤し成長していくのか—そこに物語の可能性を感じました。 ただ読み進めていくと、個々のエピソードが薄く感じられてしまう。8つの物語があるはずなのに、どれもどこか表面的で、登場人物たちの内面まで掘り下げられていない印象を受けました。恋や傷つきといった青春のテーマは誰しもが興味を持つものですが、この作品ではそれらが通り過ぎていくだけに思えてならない。 月島という町の描写は好感が持てます。古さと新しさが共存する風景が、彼らの成長と重ねられているのだろう—その意図は伝わってきます。ただ、もう少し深い物語の仕上がりを期待していました。41歳になって改めて読む青春小説としては、物足りなさが残りました。
ベストセラーということで手に取ってみたが、予想以上に心に残る作品だった。14歳という一年間の時間軸で、月島という限定された空間を舞台に、四人の少年少女が経験する出来事を描いた短編集的な構成だ。 何が良かったか、それは各話が独立しながらも全体で一つの物語として機能しているところだろう。恋、傷つき、死、思いやり――大人になるための通過点となる経験が、決して説教的にならず、むしろ瑞々しい感覚で描かれている。月島という町並みそのものが登場人物の一人のような存在感を持つ点も印象的だ。 フリーランスという立場上、子どもの頃の感情の鮮烈さから段々と距離ができていくのは避けられない。だからこそ、この作品を読んでいると、あの時代に戻りたいというノスタルジアではなく、今だからこそ理解できる喜びと痛みが一つになった経験というものの大切さを改めて認識させられた。 慎重に本を選ぶ方だが、この一冊は選んで正解。大人が読むべき青春文学だと思う。
最近は話題の本を追いかけるようにしているのだが、この『4TEEN』も気になって手に取ってみた。月島という東京の懐かしい下町を舞台に、14歳の中学生たちの青春を描いた作品だという。 読んでみると、確かに瑞々しさはあるのだろう。若者たちの揺らぎやすい心情、友人関係での葛藤、そして死への向き合い方なども丁寧に書かれている。ただ、正直なところ、老いた身にはどうも距離を感じてしまった。 80年近く生きてきた経験からすると、この作品で描かれる14歳の世界がどこか観念的に見えてしまうのだ。もう少し泥くささがあってもいいのではないか、と思う。また、8つの短編という構成も、一つ一つは読みやすいものの、全体としてはやや散漫な印象は拭えない。 若い世代には響く作品かもしれない。だが、話題作だからと飛びついた老人には、やや期待値が高すぎたようだ。良い試みではあるが、私には及第点とはいきませんでした。
話題の本ということで手に取ってみました。月島を舞台にした14歳の少年少女たちの青春群像劇ですね。 読んでいて思ったのは、確かに瑞々しさはあるんですよ。この年代特有の繊細な感情の揺らぎや、大人に向かって歩み始める不安感—そういったものがきちんと描かれている。各エピソードも丁寧に構成されていて、月島という実在する町の描写も心地よい。 ただ、正直なところ心を掴まれるほどの強い印象には至りませんでした。どのエピソードも及第点ではあるのですが、「あ、いいな」くらいで終わってしまう感じ。この年代のお子さんが読むと、もっと響くのかもしれませんね。自分の子どもの成長段階で感じる思いとか、当時を思い出す親世代の視点だと、また違う読み方ができたのかもと思います。 青春小説として良い作品であることは間違いないのですが、今のタイミングで私が読むには、もう一つ何かが足りない—そんな印象です。でも売上も好調なようですし、多くの人に愛されるのも納得できます。