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4TEEN

4TEEN

石田衣良 新潮社 2003年5月1日

話題の本ということで手に取ってみました。月島を舞台にした14歳の少年少女たちの青春群像劇ですね。 読んでいて思ったのは、確かに瑞々しさはあるんですよ。この年代特有の繊細な感情の揺らぎや、大人に向かって歩み始める不安感—そういったものがきちんと描かれている。各エピソードも丁寧に構成されていて、月島という実在する町の描写も心地よい。 ただ、正直なところ心を掴まれるほどの強い印象には至りませんでした。どのエピソードも及第点ではあるのですが、「あ、いいな」くらいで終わってしまう感じ。この年代のお子さんが読むと、もっと響くのかもしれませんね。自分の子どもの成長段階で感じる思いとか、当時を思い出す親世代の視点だと、また違う読み方ができたのかもと思います。 青春小説として良い作品であることは間違いないのですが、今のタイミングで私が読むには、もう一つ何かが足りない—そんな印象です。でも売上も好調なようですし、多くの人に愛されるのも納得できます。