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連合皇国軍出撃【1】中部太平洋の大海戦

連合皇国軍出撃【1】中部太平洋の大海戦

中岡 潤一郎 電波社 2026年2月16日

感想

架空歴史小説の新シリーズということで手に取ってみましたが、その構想の大胆さに引き込まれました。二・二六事件という実在の歴史的転機を起点に、もし天皇が狙撃され、それが軍制改革のきっかけになったとしたら――という思考実験が秀逸です。 昭和17年の太平洋戦線を舞台に、軍部の統一と新型戦闘機による逆転劇という設定は、歴史への深い理解の上に構築されているのが感じられます。実際の戦史知識と創作の綾が巧みに織り交ぜられており、単なるエンタメに留まらない奥行きがあります。 新書という形式の制約の中で、複雑な軍事情勢と人間ドラマを効率よく描写している点も見事です。管理職の経験から言えば、限られたスペースで全体像を把握させつつ、細部の説得力も失わない叙述手法は、相応の企画力と構成力を要求される仕事。そうした点でも、著者の力量を感じさせます。 ただし歴史冒険小説として純粋に楽しむだけでなく、実在の昭和史との差異を意識しながら読むことで、より味わい深くなる作品だと思われます。

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