感想
管理職になって部下の育成に関わるようになると、改めて「なぜそうなるのか」という根拠を説明できることの大切さを感じます。この本を手に取ったのも、子どもに算数を教える場面で「なんで分数の割り算はひっくり返すの?」と聞かれて、回答に詰まった経験からでした。 著者の語り口が実に親切です。数学嫌いの心理をきちんと理解した上で、「点Pが動くな」といった視覚的・直感的なアプローチで概念を再構築していく。単なる解法テクニックではなく、「なぜそこにその答えがあるのか」という本質的な理解へ導く構成になっています。 特に良かったのは、速さや食塩水といった文章問題の章。自分がなぜ苦手だったのか、その根っこが見えた瞬間、長年のモヤモヤが晴れた気がしました。実務的な思考力を求められる職にあると、こうした「ロジックの透明性」がいかに重要かが分かります。 専門知識がない人にも、親世代にも、本当に役立つ一冊。数学が得意な人にとっても、「なぜ人はここで躓くのか」を理解する手助けになるはずです。