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抱擁、あるいはライスには塩を

抱擁、あるいはライスには塩を

江國香織 集英社 2010年11月1日

感想

最近、本屋さんで目に留まったこの作品。話題になっているとのことだったので、手に取ってみました。 読み始めると、東京・神谷町の古い洋館を舞台にした、実に個性的な家族の物語に引き込まれていきました。ロシア人の祖母、学校に行かない子供たち、複雑な家族関係——こうした「風変わり」な設定が、ただ奇想天外なだけではなく、深い人間ドラマとして丁寧に描かれているのです。 三世代百年という壮大なスケールで、家族とは何か、愛とは何かを問い直す視点が、72歳の身にはしみじみと響きました。現代社会の「標準的」な家族観を揺さぶる問いかけが、随所に散りばめられており、人生経験を重ねた読者だからこそ味わえる奥行きがあると感じます。 文章も洗練されていて、一気読みさせられました。ボランティア活動をしていると、様々な家族形態や人生の営みに出会いますが、この本はそうした多様性への理解を深めてくれるようなところもあります。ぜひ多くの人に読んでもらいたい一冊です。

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