芥川賞直木賞秘話

芥川賞直木賞秘話

高橋 一清

出版社:青志社 出版年月日:2020/01/09

青志社 | 2020/01/09

3.50
本棚登録:2人

みんなの感想

感想

文学賞の舞台裏がこんなに興味深いものとは思いませんでした。芥川賞と直木賞という日本を代表する文学賞について、これまで明かされなかった人間模様や判定の過程が丹念に記録されている。長年ボランティアをしていて、様々な人間関係を見てきましたが、この本に描かれた選考委員たちの葛藤や作家たちの運命の瞬間は、まさに人生ドラマそのものです。 何より驚いたのは、一夜にして人生が変わるという受賞の重みと、そこに至るまでの複雑な経緯が、この一冊に凝縮されていることです。文学史の一級資料という評価も納得できます。若い頃から文学に親しんできましたが、こうした「内側の話」を知ると、受賞作を読む喜びもまた格別になります。 今、新聞などで話題の本については意識的にチェックするようにしていますが、この本はその価値を十分に果たしている。文学に関心のある同世代の方々、そして若い読者にもぜひ手に取ってもらいたい一冊です。

感想

日本の文学賞の裏側に迫る本書に期待して手に取ったのですが、正直なところ少し肩透かしを食らった感じです。 芥川賞と直木賞の選考過程における人間関係や葛藤といった、そこにしかない話が公開されるという触れ込みでしたが、実際に読んでみると記述が断片的で、深掘りが不十分に感じられます。せっかく「門外不出」という強みがあるのに、それを十分に活かしきれていないような印象を受けました。 また、文学史における資料的価値を謳っているにもかかわらず、学術的な厳密性や時系列の整理など、そうした基礎的な部分が甘いように思います。エピソードは興味深いものもありますが、単発的で全体としての一貫性に欠けているような気がします。 文学に携わる人間なら必読かもしれませんが、一般的な読者として読むと、もう少し綿密な構成と取材の深さがあってほしかった。題材の面白さに比べると、仕上がりが惜しい一冊だと感じました。

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