静かな読書の本棚
プラチナデータ

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東野 圭吾 幻冬舎 2012年7月1日

感想

近所の図書館で見かけて、つい手に取ってしまった一冊。DNA捜査システムという現代的な題材にひかれたんですが、読み終わってみると、まあ及第点といったところですね。 設定自体は面白いです。国民全員の遺伝子情報が登録されるなんて世界観、少しSFめいていながらも現実味があって、そこに犯人を追う謎解きの要素が加わるわけですから、ページをめくる手も止まりません。主人公が自分の名前が浮かび上がるというシチュエーションも、なかなか捻られている。 ただ、正直なところ、盛り上がりと落ち着きのバランスが少し物足りなく感じました。エンターテインメント長篇というふれこみ通り、娯楽性重視で進む分、キャラクターの掘り下げや感情移入の余地が限定的な印象を受けたんです。自営業で毎日忙しい身としては、休日にさっと読める軽さは悪くないんですが、もう一段階の深さがあればなあと思いましたね。 技術的な説得力も、まあまあといったところ。悪くはないんですが、専門的な細部まで丁寧に描写しているわけではなく、エンタメとしての勢いを優先させているのが見て取れます。気軽に楽しむには十分ですが、そこまで記憶に残る一冊にはなりませんでした。

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