静かな読書の本棚
闇医者おゑん秘録帖 残陽の廓

闇医者おゑん秘録帖 残陽の廓

あさのあつこ 中央公論新社 2026年2月20日

感想

このシリーズを読み始めたのは、歴史時代ものの傑作探しがきっかけだったと思う。いざ第3弾に手を取ると、吉原という舞台の濃密さにぐっと引き込まれてしまった。 闇医者おゑんという主人公の立場が実に面白い。表の世界には出ない、しかし多くの人間が関わる秘密を知る人物だからこそ、江戸という時代の光と影が見事に浮き彫りになる。この巻では謎の病が遊女たちを襲うという設定で、医学的な謎解きと人間ドラマが巧みに絡み合っている。 物語の展開も上手いもので、つい続きが気になって徹夜気味になってしまった。自営業のため、朝寝坊できるのが救いだ(笑)。歴史小説としての重厚さと、エンタメ性のバランスが取れているのが、このシリーズの最大の魅力だろう。文庫化されて手軽に読めるようになったのも嬉しい。気軽に歴史小説を楽しみたい向きには、本当にお勧めできる一冊だ。

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