直人の本棚
近現代短歌

近現代短歌

穂村 弘 河出書房新社 2025年12月8日

感想

最近、短歌というものをもっと真摯に学んでみようと思い立ち、この本を手に取った。穂村弘による選定というのが購入の決め手だった。 正岡子規から現代の歌人まで、近代短歌の歩みを50人の作品で辿るアンソロジーなのだが、実に興味深い。各歌人につき5首の作品と穂村による鑑賞が付されているのだが、この解説がいい。専門的になりすぎず、かといって素人向けすぎず、バランスが取れている。 与謝野晶子の官能的な作品、斎藤茂吉の深い思索、寺山修司の前衛性—時代とともに短歌がどう変容していったか、その軌跡が自然と理解できる。私たちが学生の頃に教科書で目にしたような作品も多いが、改めて読むと、人生経験を積んだ今だからこそ響く表現がある。 短歌という古い形式が、時代ごとに新しい息吹を吹き込まれながら生き続けてきたという事実そのものが、この本の最大の魅力だと感じた。文化的教養を深めたい同世代の読者にぜひ勧めたい一冊である。

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