三浦の本棚
小説 名探偵コナン 名探偵の記録者

小説 名探偵コナン 名探偵の記録者

大倉 崇裕 / 青山 剛昌 小学館 2026年10月16日

感想

長年『名探偵コナン』の愛読者だったので、本格ミステリ作家による書き下ろし小説という触れ込みに期待して手に取りました。 結論から言うと、及第点ではあるものの、特に目新しさを感じられませんでした。帝丹中学新聞部の生徒が名探偵の密着取材をするという設定自体は面白いのですが、ストーリー展開が予想の枠を出ていません。連続爆破事件という題材も、既存作品で見かけたことのあるような構成に思えます。 もっとも、脚本家としての大倉崇裕の手腕は随所に感じられます。キャラクターの会話のテンポ良さや、ミステリとしての論理的な構成はしっかりしています。ただ、小説という媒体だからこそできる、より深い心理描写や世界観の掘り下げがあれば、もっと没入感が生まれたのではないかと感じました。 アニメ・漫画のスピンオフ作品として見れば、ファン向けのサービスとしての役割は果たしているでしょう。しかし、このシリーズ自体を知らない読者や、本格ミステリを期待する人には、正直なところ物足りないかもしれません。休日に気軽に読む分には悪くない一冊ですが、わざわざ購入する必然性は感じられないというのが率直な印象です。

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