三浦の本棚
財務省という怪物  「消費税」はいかにして聖域化したか(Hanada新書 020)

財務省という怪物  「消費税」はいかにして聖域化したか(Hanada新書 020)

須田慎一郎 飛鳥新社 2026年9月26日

感想

財務省の政策判断に対する疑問は、誰もが一度は抱いたことがあるだろう。本書はその疑問に正面から答えようとする意欲作だ。消費減税がなぜ実現しないのか、という国民的な関心事を題材に、霞が関の権力構造に迫る構成は興味深い。 ただ、読み進めていくと感じるのは、論述の粗さである。確かに財務省の影響力は大きいが、そこへの批判が感情的に傾いているところがある。政治的な勢力図の変化を取り上げるくだりも、やや手放しで評価している印象を受けた。会社員として予算や数字に関わる身としては、もっと冷徹なデータ分析や多角的な視点を求めてしまう。 新書という限られた紙幅の中で複雑な話題に切り込むのは難しいのだろう。その制約を考えれば、問題提起としては機能していると言える。ただし、ここに書かれていることをそのまま鵜呑みにするのではなく、他の資料と合わせて検討する慎重さは必要だと感じた。政治経済に関心のある人であれば、一読の価値はある。

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