三浦の本棚
孤独という道づれ

孤独という道づれ

岸惠子 幻冬舎 2022年5月12日

感想

40代を控えて、人間関係や仕事のプレッシャーについて深く考えることが増えていた時期に手にした一冊です。最初は題名の「孤独」という言葉に少し構えましたが、読み進むにつれてその見方が変わりました。 著者が描く孤独は、ネガティブなものではなく、むしろ自分と真摯に向き合うための必要な時間なのだと感じさせてくれます。会社員として人間関係に気を配る日々の中で、どうしても見失ってしまう「本来の自分」という存在を丁寧に掘り下げていく筆致が印象的です。 特に、現代社会におけるコネクションや承認欲求との付き合い方についての考察は、私自身が長年悶々と抱えていた問題に対する一つの答えを与えてくれました。決して答えを押し付けるのではなく、読者に問いかけ、考える余地を与えるスタイルが秀逸です。 エッセイとしてのまとまりも良く、章立ても読みやすく工夫されています。人生の中盤戦にさしかかった同年代の男性には特に響く内容だと思います。迷わずお勧めできる作品です。

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