三浦の本棚
ミヒャエル・エンデ

ミヒャエル・エンデ

ペーター・ボカリウス / 子安美知子 朝日新聞出版 1995年11月25日

感想

エンデの名前は知っていても、その人生についてはほとんど知らなかったという自分の不勉強を実感させられた一冊です。『モモ』や『はてしない物語』といった傑作がどのようにして生まれたのか、その背景にある作者の人生を丹寧に追っていくことで、作品をより深く理解できるようになりました。 貧乏画家の家庭に生まれ、ナチス支配下という困難な時代を若き日に過ごし、その後も幾多の試行錯誤を重ねながら創作活動を続けたエンデ。友人ジャーナリストによる筆致は、伝記という枠に収まらない、まるで一篇の人間ドラマを読んでいるような臨場感があります。経験や恋愛、それぞれの転機がどう創作に影響していったのかが、自然と読み手に伝わってきます。 あえて慎重に申し上げるなら、ジャーナリストの視点による部分的な解釈もあるのだろうと思われるので、複数の視点で検証したくなる部分もありました。ただそれでもなお、作家志望の人だけでなく、人生における創造性とは何かを考えたい大人にとって、充分な価値のある読み物だと確信しています。

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