ひろの本棚
感想

正直なところ、このような文学作品を手に取るのは僕にとって珍しい。新社会人になって余裕が出てきたのか、普段は漫画ばかり読んでいる僕がこの本を選んだのは、ネットのレビューで「東京の風景描写が素晴らしい」という評判を見かけたからです。 読んでみて、本当にその通りだと感じました。著者が自分の人生を振り返りながら描く神田や鎌倉の景色は、映像で見るのとは違う、文字だからこそ伝わる温かみがある。懐かしさや郷愁を感じさせながらも、歴史的な背景もしっかり織り交ぜられていて、知的な満足感も得られます。 特に印象的だったのは、死を覚悟した著者が何を大切にしていたのかが自然と伝わってくるところ。決して重くはなく、むしろ穏やかで静かな読み心地です。新社会人の僕には、人生を見つめ直すきっかけをくれた一冊になりました。慎重に選んでよかった。