変な絵
双葉社 | 2022/10/20
みんなの感想
80万部突破という帯に惹かれて手に取った作品です。ホラー作家・雨穴氏の初長編ということで、期待値も高めでした。 9枚の奇妙な絵をモチーフに、複数の事件を絡ませていく構成は確かに工夫されています。謎解きの要素があり、どのようにして事件が繋がるのかという興味は最後まで持続しました。 ただし、正直なところ、終盤で提示される「真実」については、少々物足りなさを感じました。伏線が張られ、パズルのピースが揃うはずの瞬間も、想像していたほどの衝撃や深さに欠けるというか。YouTuberとしての活動が忙しいのか、文章のテンポもやや散漫な部分がありました。 ホラーとしての戦慄感よりも、謎解きミステリーとして読むと良さそうです。決して悪くない作品ですが、人気の割には「なるほど、そういうことか」で終わってしまう感じ。慎重派の私としては、過度な期待を抱かずに読むことをお勧めします。
話題の作品ということで、レビューを参考にしながら慎重に手に取ってみました。 9枚の奇妙な絵に隠された謎を解く、という設定は確かに興味深いものです。ホラー作家による作品ということで、どうしても怖さを期待してしまったのですが、読んでみると思った以上に淡々と進む印象を受けました。各エピソードは丁寧に描かれており、絵と事件の関連性を追っていく過程は悪くないのですが、全体的に盛り上がりに欠けるように感じてしまいます。 ページをめくる手は止まりませんでしたし、物語の構成自体は工夫されているのですが、正直なところ、期待値が高かった分、物足りなさが残りました。若い世代はもっと楽しめるかもしれませんね。80万部突破という数字に惹かれて選びましたが、万人向けとはいかないのかもしれません。 丁寧な描写は好きですので、決して悪い本ではありません。ただ、同じ時間を使うなら他の作品も読んでみたい、そんな気持ちになってしまいました。
YouTuberで有名な雨穴氏の長編小説ということで、どんな作品か興味津々で手に取りました。予想以上に引き込まれてしまいました。 9枚の奇妙な絵を通じて、複数の謎めいた事件が描かれていくんですが、それぞれの絵の背景にある真実が少しずつ明かされていく構成が秀逸。ホラー作家だけあって、不気味な雰囲気の作り方が上手いですね。ただ単に怖いだけではなく、各事件の繋がりが後半で明かされる仕掛けがしっかり練られている。 気楽に読み始めたんですが、続きが気になって徹夜気味で読んでしまいました。公務員の日常ではこういった非日常的で謎めいた物語は特に新鮮に映ります。終盤の真実が判明する場面は、それまでの情報が一つに繋がる快感がありました。 若干、登場人物の心理描写がもう少し掘り下げられていたら、さらに完成度が高かったのかなという感じはしますが、エンタメ小説としては十分面白い。この著者の他の作品も気になってきました。
YouTuberとしても活躍されているという雨穴氏の作品ということで、少し不安もありましたが、思い切って読んでみました。正解でした。 9枚の「変な絵」をめぐるミステリー、という設定がなんとも秀逸です。一見すると無関係に見える絵が、次々と事件と結びついていく過程で、ぐいぐいと物語に引き込まれてしまいました。各エピソードが丁寧に積み重ねられていて、最後にすべてが一つになる仕掛けは見事です。 ただ、ホラー作家とのことで、グロテスクな描写がないか事前に確認してから読みました。その点は思ったより抑制的で、むしろ心理的な恐怖に重きが置かれているようです。だからこそ、余韻が残るのかもしれません。 74年も生きていると、人生の不思議さや理不尽さを感じることが増えました。この作品はそうした想いに静かに寄り添ってくれる、そんな読み心地でした。文庫での重版も決まったようですし、落ち着いて読むなら文庫版を待つのも良いかもしれません。