IT革命・デジタル社会に天皇制はいらない、かな?

IT革命・デジタル社会に天皇制はいらない、かな?

竹嶋悠

出版社:風詠社 出版年月日:2025/06/02

風詠社 | 2025/06/02

4.33
本棚登録:5人

みんなの感想

感想

社会的な課題をテーマにした本を読む習慣から、手にしてみた一冊です。 憲法第一条と天皇制の関係を現代のデジタル社会の文脈で考察するという、なかなか興味深い問題提起でした。格差拡大やSNS時代における「国民統合」の意義を問い直すアプローチは、確かに現在的だと思います。 ただ、読み進めていて感じたのは、議論がやや散漫な印象を受けたということです。歴史的背景の説明と現代的問題提起のバランスが、個人的にはもう少し整理されているとより腑に落ちやすかったかもしれません。また、多様な価値観を尊重するという主張の一方で、主張自体が相当に特定の立場に寄っているように感じられた部分もあり、慎重に読む必要がある本だなと思いました。 政治思想に関心がある方には刺激になる内容だと思いますが、この分野に詳しくない読者としては、もう少し丁寧な説明があると良かったです。考えるきっかけになる本ではありますが、一歩引いて慎重に判断したい方は、事前に関連書籍をいくつか読んでからアプローチすることをお勧めします。

感想

憲法論議というと、どうしても第9条が中心になりがちだが、この著作は国民主権と象徴天皇制という、より根本的な問いかけをしている。53年生きてきた中で、天皇制についてここまで本質的に考えさせられた本は稀だ。 特に興味深いのは、明治維新からの歴史的文脈を丁寧に追いながら、なぜこの制度が今日まで存続してきたのかを解き明かしていく手法である。著者は単なる天皇制批判に陥らず、多様化する価値観とSNS民主主義という現代的状況下で、国民統合の象徴という概念そのものの妥当性を問い直している。 自営業をやっていると、様々な価値観や背景を持つ人々と関わる機会が多い。その経験からも、本書の指摘は説得力がある。格差拡大と社会分断が進む時代に、すべての国民を一つのシンボルで括ることの困難さ。この問題提起は、政治的立場を超えて検討する価値があると強く感じた。 丁寧な論証と歴史的背景の提示により、読み応えのある一冊だ。

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