漂砂のうたう

漂砂のうたう

木内 昇

出版社:集英社 出版年月日:2013/11/20

集英社 | 2013/11/20

5.00
本棚登録:1人

みんなの感想

感想

直木賞受賞作ということで手に取ってみたんですが、これが本当に良かった。明治という時代の遊郭を舞台にしながらも、登場人物たちの人生の重みが伝わってくる作品ですね。 定九郎という主人公の背景にある秘密、そして彼の周囲に集まる花魁や客たちが抱えている挫折感や諦め。新しい時代への転換期に、旧い世界に生きる人々の息遣いが丹寧に描かれているんです。エンジニアとして日々新しい技術に向き合っていると、こうして時代に取り残される恐怖感や切実さに、ついぐっときてしまいます。 文章のリズム感も心地よくて、難しすぎず読みやすいのも魅力。歴史小説というと構えてしまう人も多いと思いますが、これは気軽に読める一冊だと思います。特に仕事で疲れた時に、人間らしい深さに触れたいという気分になったら、ぜひ手に取ってみてください。私もまた読み返したくなる、そんな作品です。

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