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新版 楽式論

新版 楽式論

石桁 真礼生 音楽之友社 1989年3月1日

感想

音楽理論の基礎を学び直したいという動機で手に取った一冊です。楽式論という題材の性質上、やや専門的で技術的な内容になることは予想していましたが、本書もその例に漏れません。 実務的な観点からすると、和声や対位法といった基本要素から、ソナタ形式やロンド形式などの大規模な構成まで、体系的に解説されています。図表も適切に配置されており、独学で進める際の参考書としては機能しているといえるでしょう。 ただし、読み進める中で感じたのは、やや教科書的すぎるということです。自営業の傍ら、様々なジャンルの人文書を読んできた身としては、理論の背景にある歴史的・文化的文脈や、作曲家の思想といった部分がもう少し掘り下げられていたら、より興味深い読経験になったのではないかと思います。 初学者にとっては十分な教材ですが、既に基礎知識がある読者には、やや物足りなさが残る内容といった印象です。実用性と啓発性のバランスという点では、平均的な出来栄えといえます。