橋本 美月の本棚
自分の小さな「箱」から脱出する方法

自分の小さな「箱」から脱出する方法

アービンジャー・インスティチュート / 冨永星 大和書房 2006年11月1日

話題の自己啓発本ということで、つい手に取ってしまいました。「箱に入っている」という比喩を使って、自分たちがいかに自分を正当化し、他者を批判しているかを説いている内容ですね。 正直なところ、そこまで目新しい考え方だとは感じませんでした。人間関係における自分の視点の狭さに気づきましょう、という主張は、多くの啓発本で繰り返されている論理です。会社での人間関係や家庭内の問題を考える際には、確かに参考になる部分もありますが、実際に「箱から出る」ための具体的な方法論となると、やや抽象的な印象は拭えません。 ただし、物語形式で進むため読みやすく、翻訳本ながらストーリー展開は分かりやすいです。パート先での同僚との関係を見つめ直すきっかけにはなりました。年配の読者向けというわけではないのかもしれませんが、ある程度人生経験を積んだ者には、改めて言われるまでもない内容も多かったというのが本音です。悪くはない本ですが、特別な示唆があるわけでもなく、という感じですね。