本と珈琲の本棚
ママがもうこの世界にいなくても

ママがもうこの世界にいなくても

遠藤 和 小学館 2021年12月1日

感想

テレビで見かけたご夫婦の話だと聞いて、手に取ってみました。ステージ4のがんと向き合いながら、家族との時間を大切にされた姿勢には本当に頭が下がります。ただ、率直に申し上げると、この本の構成にやや物足りなさを感じてしまいました。 日記形式で綴られた日常の断片は切実で、読み手の心に確かに響きます。でも、そうだからこそ、もう少し深掘りしてほしかった部分が多いんです。ご本人の心の揺らぎ、ご家族との葛藤、治療の選択に至る迷いなど、もっと詳しく知りたい気持ちが残ってしまいました。 気軽に読める本を探していた私には、かえって中途半端に感じられてしまったのかもしれません。大切なテーマだからこそ、読み手としてはより丁寧な物語の展開を望んでしまいます。愛する家族への想いは十分に伝わってくるのですが、全体としてはもう一歩、踏み込んだ表現があってもよかったように思います。

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