本と珈琲の本棚
感想

文庫本のコーナーで目に留まって、なんとなく手に取ってみたのがこの一冊でした。「夏」をテーマに現代を代表する作家たちが書き下ろした短編集だということでしたが、これが思いのほか面白かった。 それぞれの作品が本当に個性的で、同じ季節をテーマにしているはずなのに、まるで違う世界へ連れて行かれるような感覚を味わえます。切なさあり、驚きあり、時には背筋が凍るような怖さまで。一つの物語を読み終わるたびに、ああ、こんなふうに夏を描く方法もあるのか、と感心してしまいました。 最近は長編を読む気力がなくなってきていた私にとって、短編集というのは本当にありがたい存在です。通勤電車の中でも、ちょっとした休み時間でも気軽に楽しめる。それでいてどれもが深く心に残る作品ばかりなのは、さすがプロの仕事だと思います。 小説を愛する人へのプレゼントという帯の言葉も納得です。これから小説を読み始めたいという方にもぜひ手に取ってほしい一冊。年を重ねてからでも、人生は小説で変わることもあるんだ、そう教えてくれた気がします。

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