みかんの本棚
感想

世界中のビジネス研修で使われているという触れ込みだったので、興味を持って手に取ってみました。 寓話形式で組織変革とキャリアの柔軟性について説く内容は、確かに理解しやすく、その意味では啓発的です。変化への適応の大切さというメッセージは普遍的で、フリーランスとして不確実性の中で働く身としても、全く無関係ではありません。 ただ、正直なところ新鮮さに欠けました。登場人物たちの葛藤や成長が単層的で、人文・思想書として深掘りされた視点には乏しい。また、変化への適応が必ずしも正解とは言えない複雑な現実については、物語の中では充分に問われていないように感じます。 ビジネス書としての実用性と啓発性は認めますが、読書家として求める「読み応え」や「思考の刺激」という点では、期待値と現物の開きが大きかったというのが率直な感想です。企業研修テキストとしての位置づけと、個人の読書体験とはやはり別なのだと改めて認識させられました。

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