みかんの本棚
感想

巷に溢れる心理学情報に違和感を感じていたが、その正体がようやく腑に落ちた。アカデミックな心理学と大衆的な心理学の混乱という明確な枠組みを提示してくれるだけで、すでに価値がある。 著者の心理学への向き合い方が、本当に誠実で好ましい。単に学問的な正確性を求めるのではなく、なぜこのような混乱が生じるのか、そして両者がどのように共存できるのかという実践的な問いを立てている点に、知識人としての良心を感じる。フリーランスとして自分たちの仕事も「ジャンル分け」の問題と無関係ではないと思え、つい考え込んでしまった。 新書というコンパクトな形式で、複雑なテーマを整理する手腕も見事だ。イラストも効果的で、難解になりすぎない工夫が随所に感じられる。心理学好きはもちろん、情報の真贋を見分けたい人にも広くお勧めできる一冊。読むと、確かに心理学が好きになる——というより、心理学への向き合い方が少し成熟する感覚を覚えました。