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クロミの『歎異抄』

クロミの『歎異抄』

朝日文庫編集部 朝日新聞出版 2023年2月7日

感想

サンリオキャラとの組み合わせに最初は戸惑いましたが、これは見事な企画だと感じました。クロミというキャラクターの視点を通して『歎異抄』に触れることで、親鸞の教えがこんなにも現代的で身近なものに感じられるとは。 フリーランスとして働いていると、自分の判断が正しいのか、この選択でいいのか、と不安に駆られることがよくあります。本書で展開される「人間は誰もが迷い、間違うものだ」という親鸞の思想は、その悩みを根本から和らげてくれました。完璧さを求める必要はなく、むしろそうした葛藤の中に生きることこそが本来の人間らしさなのだという視点は、大変解放的です。 古典を学ぶときに最も大切なのは「今を生きる自分に何が届くか」だと思っていますが、このシリーズはその点で非常に優れています。難しい思想書として読むのではなく、一つの「視点を得る」という感覚で気軽に手に取れるのも魅力です。人文書を多く読む身としても、古典の新しい読み方を示唆してくれる良質な一冊だと言えます。

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