ふしぎなキリスト教
講談社 | 2011/05/18
みんなの感想
「キリスト教がわからないと現代社会もわからない」という帯の一文に惹かれて手に取った一冊でした。 普段、人文書や思想書をよく読みますが、意外とキリスト教の基礎知識って曖昧なまま過ごしていたんです。一神教とはどういう仕組みなのか、なぜ西洋文明がグローバル・スタンダードになり得たのか――そうした根本的な問い対して、二人の社会学者による対論という形式で真摯に向き合われているのが好印象です。 特に第1部と第3部の議論が充実していて、ユダヤ教からキリスト教へ、そして西洋文明へと連なる歴史的文脈が腑に落ちました。イエスは神なのか人なのかという設問も、問い自体が東西思想の相違を浮き彫りにしていて興味深い。新書という手軽なフォーマットながら、その深さと視座の広さは見事です。 ただ、対論形式がゆえに議論が時に平行線気味になる部分もあり、結論に向けた統合がもう少し欲しかった感覚もあります。とはいえ、現代社会を読み解くための必読書として、多くの人に勧めたい一冊です。
新書というちょうどよい分量で、キリスト教について根本的な疑問に答えてくれる本です。私たちは西洋文化の影響を受けながら生きていますが、その基盤にあるキリスト教について、実はほとんど理解していないのだと気づかされました。 二人の社会学者による対論という形式が素晴らしく、一神教とは何か、神とは何かという問いに、丁寧かつ論理的に迫っていきます。ユダヤ教からキリスト教がどのように生まれたのか、イエスという存在がどう理解されてきたのか、そして西洋文明がどのようにして世界標準になったのか——これらの質問に対する答えが、わかりやすく整理されています。 もちろん、信仰心の問題としてではなく、歴史的・社会学的な視点から書かれているところが、私のような高齢者にも読みやすかった。複雑な内容ですが、決して難解ではなく、むしろ目からウロコが落ちる思いです。現代を理解するために必要な教養が詰まっており、ボランティア活動の中で様々な背景を持つ人々と関わる際にも、この知識が役立つと感じています。
管理職として様々な国籍のステークホルダーと関わる立場にあるため、キリスト教という文明的背景への理解の必要性を常々感じていました。本書はその課題に正面から向き合ってくれる貴重な一冊です。 橋爪大三郎と大澤真幸という二人の碩学による対論という形式が秀逸で、一神教とはなにか、GODと日本の神道的概念の本質的な違いが、思わず膝を打つほど明快に論じられています。イエスは神なのか人なのかという単純に見える問いが、実は西洋文明の根底を揺るがす大問題であることが腑に落ちました。 新書というコンパクトなフォーマットながら、知的な深さが損なわれていない点も評価したいところです。難解になりすぎず、かつ読者を低く見積もらない、バランスの取れた説明がされています。 グローバルなビジネス環境で働く現代人にとって、欧米文明の根底にあるものを理解することは、表面的な国際理解を超えた本質的な相互認識につながると確信しました。同僚にも強くお勧めしたい一冊です。