クロミの『歎異抄』

クロミの『歎異抄』

朝日文庫編集部

出版社:朝日新聞出版 出版年月日:2023/02/07

朝日新聞出版 | 2023/02/07

4.00
本棚登録:5人

みんなの感想

感想

サンリオキャラとの組み合わせに最初は戸惑いましたが、これは見事な企画だと感じました。クロミというキャラクターの視点を通して『歎異抄』に触れることで、親鸞の教えがこんなにも現代的で身近なものに感じられるとは。 フリーランスとして働いていると、自分の判断が正しいのか、この選択でいいのか、と不安に駆られることがよくあります。本書で展開される「人間は誰もが迷い、間違うものだ」という親鸞の思想は、その悩みを根本から和らげてくれました。完璧さを求める必要はなく、むしろそうした葛藤の中に生きることこそが本来の人間らしさなのだという視点は、大変解放的です。 古典を学ぶときに最も大切なのは「今を生きる自分に何が届くか」だと思っていますが、このシリーズはその点で非常に優れています。難しい思想書として読むのではなく、一つの「視点を得る」という感覚で気軽に手に取れるのも魅力です。人文書を多く読む身としても、古典の新しい読み方を示唆してくれる良質な一冊だと言えます。

感想

古典と現代のキャラクターを組み合わせたこのシリーズは、『歎異抄』という重厚なテキストをいかに平易に解説するかという工夫に、まず注目すべき試みだと感じた。親鸞の教えが現代人の悩みに響くというコンセプトは納得できるし、事実『歎異抄』には時代を超えた洞察が詰まっている。 ただ、実際に読んでみると、その解説は多少表面的に感じられた。クロミというサンリオキャラとの組み合わせは視覚的には親しみやすいが、深く思想に切り込む助けにはなりにくい。特に自営業で人生経験を重ねた身としては、もう少し複雑な論理展開や歴史的背景への言及を期待してしまう。 『歎異抄』そのものへの入門書としてなら有用だろう。若い読者や、古典に親しみのない人には丁寧で良いと思う。ただ本格的に親鸞の思想を理解したければ、より詳細な注釈書を別途参照する必要がある。可もなく不可もなく、という評価が正直なところだ。

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