みっちゃんの本棚
お墓はどうなる

お墓はどうなる

辻󠄀井 敦大 岩波書店 2026年9月24日

感想

人生100年時代を迎える中で、自分たちの終わり方について真摯に考える必要があると感じていた矢先に出会った一冊です。 本書の優れている点は、お墓という私たちが直視しにくいテーマを、社会学的かつ実証的にアプローチしていることです。散骨や樹木葬といった新しい選択肢が生まれた背景にある家族形態の変化や、弔い市場における企業の関与まで、丁寧に分析されています。墓じまいや無縁墓の増加といった現象が、単なる個人の選択ではなく、より大きな社会的変動の表れであることが見えてきます。 特に印象的だったのは、格差がお墓にも影響を及ぼしているという指摘です。経済状況によって選択肢が限定される現実に、改めて日本社会の構造的な課題を考えさせられました。また、ペット葬を含めることで、人間中心的ではない現代の葬送観を柔軟に捉えようとする姿勢も好感が持てます。 岩波新書らしい実用性と思考の深さを兼ね備えた、これからの人生設計を考える上で必読の書だと思います。

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