このシリーズも23巻まで来ましたか。いつの間にか長編シリーズになっていますね。今回はロンドンが舞台というところに興味を引かれて手に取りました。 相変わらず真城葵と家頭清貴のコンビが活躍するんですが、海外の美術界という新しい舞台設定が新鮮です。有馬温泉での試験に合格して、いよいよ国際的なプロジェクトに参入するというのは、シリーズの進化を感じさせてくれます。管理職として組織運営に携わる身としては、キュレーターたちの試験選抜の部分や人間関係の構築あたりが妙にリアルに感じられて興味深かったですね。 ロンドンでの予期しない事件というのが本編の核になるんでしょうが、そこまでの展開は丁寧でしっかりしている。著者の構成力は相変わらず安定していると思います。気軽に読み進められるのに、ちょっと考えさせられる部分もあって、このシリーズのバランスの良さがあらためてわかります。 仕事の合間の息抜きに読むにはちょうどいい。次巻も期待です。
最近登録された他の本の感想
2026年06月15日
久しぶりに漫画を手にとってみました。管理職という立場上、読書といえばビジネス書か小説ばかりなので、たまには活字以外もいいかなと。 『OUT 29』は迫力のあるバトル漫画ですね。最強の二人が激突するという設定は確かに盛り上がります。絵のダイナミックさも悪くない。ただ、正直なところシリーズが長く続いているせいか、この巻だけ読むと物語全体の流れが少し掴みづらく感じました。恐らく全巻を通して読むと印象が変わるんだろうなとは思いますが。 バトルシーンの描写は熱いし、キャラクターの因縁も深そうです。ただ、唐突に読むと「ここまでの経緯は?」という疑問が残る。若い頃だったら一気読みしたでしょうが、今は連載追従組じゃないので、どうしても置いてきぼり感が否めません。 漫画好きなら楽しめるんでしょう。それなりに面白かったのは確かです。
2026年06月12日
子どもが算数で苦戦し始めたのをきっかけに、この本を手に取ってみました。親子で一緒に学べるというコンセプトが良さそうだったので。 実際に読んでみると、確かに学年の枠にとらわれず、広く基礎を網羅しているのは利点です。図解が豊富で、説明も比較的わかりやすい。仕事で数字ばかり見ている身としても、「そういえばこの考え方はこういう背景があるんだ」と改めて認識できる部分もありました。 ただ、正直なところ、突き抜けた何かがあるわけではないんですよね。情報量も標準的だし、図鑑としての深掘りも浅め。子どもが躓いている特定の単元を補強するには十分ですが、「この本があれば数学は完璧」というレベルではない。むしろ、困ったときの辞書的な使い方が現実的かなと思います。 気軽に親子で眺めるには適していますが、がっつり学びたい人には物足りないかもしれません。悪くないけど、特別感もない、そんな一冊です。
2026年06月10日
経済ニュースを眺めていて、ふと日本の経済成長について真面目に考えてみたくなり、この本を手に取りました。 著者の主張は大胆で、最初は少し懐疑的に読み始めたのですが、データと論理で積み重ねられた議論に引き込まれていきました。管理職として予算や経営に関わる身として、マクロ経済の視点から日本の可能性を考え直すきっかけになったのは大きな収穫です。 特に印象的だったのは、従来の悲観的な日本経済論に対して、具体的な根拠を示しながら異なる視点を提示している点。複雑な経済理論を比較的わかりやすく説明してくれるので、経済学の専門知識がなくても読み進められます。 ビジネスパーソンなら知っておいて損のない内容だと思いますし、何より「日本の経済ってまだ伸びしろがあるんじゃないか」というポジティブな気持ちになれるのが良い。気軽に読めるビジネス書を探している人には、特におすすめできる一冊です。
2026年06月08日
実在の冤罪事件を基にした作品ということで興味を持って手に取りました。弁護士という知識人が不当な取調べに直面する様子は、確かに衝撃的です。検事による人格否定的な尋問手法、長期勾留による精神的苦痛、そうした現実が日本の司法制度内で実際に起きているという事実は重く受け止める必要があります。 ただ、正直なところ物語としての広がりに少し物足りなさを感じました。取調べシーンは生々しく、その緊迫感は伝わってくるのですが、家族との関係性や心情の変化をもっと掘り下げてほしかった。また、法曹関係者としての視点からの社会批評的な観点ももう少し欲しかったというのが本音です。 管理職として組織内の不正や圧力と向き合う機会も多いので、権力構造の問題には敏感です。その観点からは学ぶべき点が多い一冊ですし、日本の刑事司法制度について考え直すきっかけにはなります。でも、読み物としての完成度という点では、個人的にはもう一歩という感じですね。
2026年06月07日
職場の帰り道、立ち寄った書店でついつい手に取ってしまった一冊です。正直なところ、子ども向けのシリーズだろうと思っていたのですが、いい意味で期待を裏切られました。 動物へのチェンジ能力を持つ4人が林間学校で繰り広げる騒動を描いているのですが、この設定の楽しさったらない。ハムスターレースにキャンプでのカレー作りなど、日常の学校行事という枠組みの中で、突飛な魔法要素が自然に組み込まれている。その組み合わせが生み出す予想外の状況設定が本当に面白い。 4巻目という事で構えていましたが、これ一冊でも十分楽しめるのは嬉しいポイント。管理職として日々の業務で脳を酷使しているせいか、仕事帰りにこういった軽妙で爽快感のあるコメディが欲しくなるんですよね。後半の急展開とアクション部分も良く、読み始めたら一気読みしてしまいました。仕事の疲れを忘れさせてくれる、そんな一冊です。
2026年06月07日
仕事のストレスで疲弊していた時期に、同僚が勧めてくれた一冊です。正直、エッセイなんて気軽に読めるものぐらいに思っていたんですが、これは本当に予想外の面白さでした。 小学生時代の間抜けな失敗談から、デビュー後のインド珍道中、そして痔との格闘まで——こんな題材でここまで笑わせられるのかと驚きました。著者の視点の面白さと、何気ない出来事を笑いに変える筆致が秀逸。通勤の電車の中で何度も吹き出してしまい、周りに変な顔で見られたほどです。 管理職として日々、部下たちのシリアスな相談を受けたり、組織の問題に頭を悩ませたりしているので、こういう純粋に笑える本の価値をしみじみ感じます。巻末の映画監督との対談も、著者の人柄や創作姿勢が垣間見えて興味深い。 年を重ねても変わらない人間の根っこの愚かさや面白さを思い出させてくれる。気軽に、でも深く楽しめる良作だと思います。
2026年06月06日
部下の育成で会計知識が必要になったので手に取りました。累計80万部という看板に惹かれたのもあります。 基本的には分かりやすく構成されていますね。取引ごとに財務3表をつくる「会計ドリル」は実践的で、机上の空論ではなく手を動かしながら学べるのが良い。管理職として決算書を読む際の最低限の素養は身につくと思います。 ただ、率直に言うと目新しさは感じませんでした。新版とのことですが、会計の基本原理は変わらないわけで、既出の内容をどう再構成したかが勝負なんでしょう。そこまで革新的な工夫は感じられず、「定番だから間違いはない」という安心感はありますが、「これだ!」という驚きにはちょっと欠けます。 新書というコンパクトなフォーマットで、通勤時間などにさらっと読める気軽さは評価します。会計初心者や若い世代にはいいテキストだと思いますが、既に基本を知っている身としては、物足りないというのが正直なところです。必読とまでは言いませんが、入門書としては堅実な一冊です。
2026年06月06日
麻耶雄嗣のミステリは相変わらず凄い。仕事で頭を使った疲れた夜に、さらに脳をフル回転させるこの本を手に取るのは、ある種の中毒性があるのかもしれません。 比叡山麓の白樫家で起きた殺人事件——舞台設定からして独特の空気感があります。生首をピアノに飾るという異常な犯行、全員に完璧なアリバイがあるという古典的でありながら現代的な謎解き。ページをめくる手が止まりません。 何が素晴らしいかというと、ロジックの切れ味です。登場人物それぞれが持つ分単位のアリバイが交差する様は、まるで複雑な経営判断を迫られるような緊張感。管理職の身としては、こういう綿密な論理構成には思わず唸ってしまいます。 新装版ということで再読になるかもしれませんが、改めて読むと新しい発見もあります。ミステリ好きなら必読の一冊。疲れた時こそ、こういう思考系のミステリで頭をリフレッシュするのも良いかもしれません。
2026年06月01日
武家小説というジャンルに、ここまで人間ドラマを詰め込める作品があるのかと驚きました。直木賞作家が初めて挑んだという『春かずら』、十二年間の仇討ちという重いテーマながら、随所に人情味や葛藤が溢れていて、ぐいぐい引き込まれます。 特に面白いのは、主人公の清史郎と仇の息子・隼人という、本来なら相容れぬはずの二人の関係性です。剣の手ほどきを通じた師弟関係の中で、感情のもつれが生じる様子が実に丹念に描かれている。江戸時代の侍という枠組みの中で、「矜持とは何か」「仇討ちの本質とは何か」といった問いが自然と浮かび上がります。 管理職という仕事をしていると、正解と思い込んでいた判断が、実は複数の視点から見ると異なる価値観を持つことに気付かされます。この作品はそうした葛藤を、見事に小説化している。ラストの清史郎の決断には、単なる勧善懲悪では割り切れない、人生の奥深さが感じられました。歴史冒険小説として楽しむのはもちろん、大人だからこそ味わえる余韻がある一冊です。
2026年06月01日
話題作だったので手に取ってみました。佐藤愛子という文豪の娘が、気難しい母親との日々を綴ったエッセイ集。阿川佐和子さんの絶賛コメントも目を引きます。 読んでみると、確かに親子関係の葛藤や、年老いていく親を見守る複雑な感情が率直に表現されています。ユーモアを交えながら母の奇行を描く部分は微笑ましく、時には共感できる場面も多い。親の介護問題に直面している方なら、ぐっと来るシーンがあるかもしれません。 ただ、正直なところ特別な発見や感動があるかというと、それほど強く心に残るものではありませんでした。既存のエッセイ文化の延長線上という感じで、目新しさに欠けるというか。娘目線で見た有名な文豪の素顔という切り口は興味深いのですが、深掘りをもっと期待していました。 気軽に読むにはちょうどいい一冊ですが、特別な必読書というわけではないと思います。高い期待値を持たずに読めば、そこそこ楽しめるはずです。
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