和也の本棚
感想

最近、部下の指導について考える機会が多かったので、学園を舞台にしたこの作品はタイミング良く手に取ることができた。実際に読み始めると、教師と生徒の関係性が複雑に絡み合い、次々と明かされていく真実に引き込まれてしまった。 著者が「どんでん返しの新女王」と呼ばれるだけのことはある。序盤では一つの事件に見えていたものが、時間とともに視点が変わり、まったく別の物語へと転換していく。その変換の仕方が見事で、何度も「え、そうなのか」と読み直してしまった。管理職として組織を見ているからこそ、人間関係の複雑さや隠された動機といった部分に深く共感できたのかもしれない。 文庫本という手軽さも魅力だ。通勤時間やちょっとした空き時間で読めるのに、内容の濃さは全くブレていない。夏合宿という限定的な舞台設定も効果的で、登場人物たちが追い詰められていく緊迫感がすごい。一気読み必至の傑作だと思う。

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