乱読家の本棚
感想

正直、こういった伝記的な本ってどうしようか迷うんですよね。でも読んでみてよかった。素朴画家・原田泰治さんの人生と絵画の歩みを辿る本なんですけど、戦中戦後の激動の時代を背景に、小児麻痺と闘いながら歩き続けた末息子の物語として読むと、すごく心に響きます。 著者自身が絵を通じて人生を語っているというところが素敵だなって思いました。言葉だけじゃなく、絵という表現でしか伝わらない何かがあるんだろうなあ。農業に転じた一家の素朴な営みと、その中で生まれた詩情のある世界観って、私たちが普段忙しく生きてる中で失ってる大事な何かを思い出させてくれる感じがします。 文庫本で読みやすいし、人生について深く考えたくなる時期の人にもおすすめできます。ただし、めちゃくちゃ重くて面白い!みたいな本ではなく、静かに心に染み入るような読書体験を求めてる人向けですね。そういった本を探してるなら、ぜひ手に取ってみてほしいです。

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