本大好きおじさんの本棚
感想

ドラマを見て興味を持ち、手に取った一冊です。医療現場にいると、人間の善悪や本質について考える機会が多いのですが、この作品はそうした問題をグイグイと突きつけてくる迫力があります。 介護施設での事件という身近なテーマながら、御子柴礼司という異色の弁護士を通して法と正義の矛盾が鮮烈に浮かび上がる。彼の「無罪にすること」という徹底した信念は、私たちが常識だと思っていることへの強い疑問を投げかけます。 文庫本で気軽に読める長さながら、内容は決して軽くない。職業柄、つい登場人物たちの心理状態を分析してしまいますが、その懐の深さが実に魅力的です。ドラマとはまた異なる緊張感があり、小説ならではの立体的な人物描写も秀逸。 後半の展開は予想の斜め上を行き、ページをめくる手が止まりませんでした。シリーズの他の作品も読みたくなる、そんな中毒性のある面白さです。

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