のんちゃんの本棚
憂鬱な恋の忘れ方

憂鬱な恋の忘れ方

カツセマサヒコ 幻冬舎 2026年10月21日

感想

失恋の痛みって、時間が経っても完全には癒えないものなんだと改めて感じさせられた一冊です。 大学四年生の橘くんがユウコという女性に抱く、一途な片思いの物語。初めは微笑ましく読んでいたのに、ページをめくるにつれて、その恋がこんなにも深く、こんなにも複雑なものなんだと引き込まれていきました。特に社会人になってからの描写がいいんです。仕事に打ち込みながらも、ふとした瞬間に思い出す。そういう日常の中に忍び込む切実さが、もう41歳の私にはよく分かる。 著者の文章が本当に丁寧で、登場人物たちの心情が透き通るように伝わってきます。失恋をテーマにしていながら、決してネガティブだけじゃなくて、人間らしい温かさもちゃんと入っている。SNSで再会するくだりからは目が離せません。 大人になった今だからこそ響く恋愛小説だと思います。気軽に読める軽さじゃなくて、しっかり心に残る。仕事帰りの疲れた時間に、ゆっくり読むのにぴったりでした。

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