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夫のカノジョ

夫のカノジョ

垣谷美雨 双葉社 2013年10月1日

感想

話題になっていたので手に取ってみましたが、予想以上に考えさせられる一冊でした。身体が入れ替わるという設定は、一見するとライトなファンタジーですが、そこから見えてくるのは夫婦関係の深い問題。教室でも感じますが、人間関係は相手の立場に立つことの難しさがすべてだと思うんです。 この作品は、それをエンタメとしてありありと表現してくれます。妻が相手の女性の人生を、女性が妻の日常を体験することで、互いへの理解や見方が変わっていく過程が実に自然で説得力がある。平凡な日々の中にある不満は誰にでもあるけれど、それがどれほど大切なものに支えられているのかを改めて気づかせてくれるんです。 決して説教的にならず、人間関係の機微を丁寧に描いているところが秀逸。読後、妻や同僚、生徒たちに少し優しくなれそうな、そんな不思議な力を持った作品です。長編ですが一気読みできる面白さもあります。

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