れんの本棚
水曜の朝、午前三時

水曜の朝、午前三時

蓮見 圭一 河出書房新社 2017年11月7日

感想

話題作ということで手に取ってみた一冊。大阪万博という時代背景を舞台に、叶わぬ恋と人生の重みを描くラブストーリーだ。 正直なところ、期待値との落差が少しあった。文章自体は丁寧で、1970年代という時代設定も効果的に使われている。主人公の心情描写も細かく、ベストセラーになった理由は理解できる。ただ、「涙を誘う」というキャッチコピーの割には、自分には響くものが足りなかった印象だ。 恋の痛みを描いた作品は数多くあるが、この本が他と明確に違う視点を提示しているかというと、その点が曖昧に感じられた。二十数年という長いスパンで人生を追うので、物語に深みは出ているのだが、どうしても「よくある話」の枠を出ていない感覚が拭えない。 会社員として忙しい日常の中で読む分には、穏やかな時間を提供してくれる本ではある。ただ、この本を友人に強く推薦するかと問われると、躊躇してしまうというのが本音だ。流行りの本という位置づけで読むなら、無難な選択肢かもしれない。

ブクログからブクマへ
かんたん引っ越し

読書記録や感想をそのまま移行。
数分の準備で、ブクログの本棚をブクマへ。

詳しく見る
ブクログからブクマへの引っ越しイメージ