れんの本棚
感想

話題になっていたので手に取ってみたのですが、予想以上に引き込まれました。超高層マンションの一室での変死事件を軸に、20代の4人の証言から浮かび上がる真実——その構成の見事さに、最後までページをめくる手が止まりませんでした。 各登場人物がそれぞれ「N」という存在に想いを寄せているという設定が秀逸です。事件の真相を追いながら、同時に彼らの心情の複雑さに引き込まれていく。ミステリーとしての謎解きの快感と、純愛という切実な人間ドラマがうまく交錯している。会社員生活で疲弊した心に、こういう繊細で魅力的なストーリーはしみ込みます。 著者初の純愛ミステリーということでしたが、その新機軸がきちんと功を奏している。謎解きの爽快感と、登場人物たちへの深い共感が両立しているのは珍しい。これまでの著作も読んでみたくなりました。今年読んだ中でも間違いなく上位の傑作です。

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