一郎の本棚
感想

デパ地下という一見地味な舞台から、こんなにも温かくて奥深い物語が生まれるんだなと改めて感じさせられました。 シリーズ第4弾ということで、最初は既刊を読んでいない自分でも大丈夫かと心配でしたが、杞憂でした。梅本杏子というキャラクターの成長の過程が丁寧に描かれていて、この作品単体でもしっかり完結した一つの章として機能しています。 和菓子という題材が素晴らしく、商品紹介的になりすぎず、むしろ人間関係や人生の営みを象徴するものとして機能しているんです。甘酸っぱい日常の謎解きと言われている通り、小さな疑問から始まる物語の展開が巧みで、ページをめくる手が止まりませんでした。 職場の人間関係や別れと出会いという新社会人の自分にも身近なテーマが丁寧に書かれているので、グッと来るシーンが多々ありました。ただ、章によって話の進み方にやや濃淡があるように感じたので、4つ星としました。でも十分に良い作品です。次のシリーズも気になります。

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