チョコの本棚
ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 2

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 2

ブレイディ みかこ 新潮社 2021年9月16日

感想

第一巻で感動した親子関係の深化を期待していただけに、本作は正直なところ肩透かしを食らった思いです。 13歳へと成長した「ぼく」の視点から、多様性やポリティカル・コレクトネスといった現代的テーマが次々と提示されるのですが、どうも表面的な処理に終始しているように感じられます。親離れの季節という設定も活かされきれておらず、前作で丁寧に構築された親子間のコミュニケーションの質が、本巻では希薄に映ります。 管理職として様々な立場の人間関係を調整する立場にある私としては、書中で扱われる問題提起そのものは興味深いのです。しかし物語として昇華しきれていない印象が否めません。各エピソードが社会的メッセージの詰め込みになってしまい、少年の内面的成長が十分に描かれていないのが惜しい。「完結」という謳い文句も、やや無理やり閉じられたような不完全感があります。 80万人の読者に支持された前作だからこそ、本巻にはより深い洞察と構成の工夫を期待していました。