りくの本棚
感想

本屋大賞の発掘部門で話題になってたから手に取ってみたんですが、これは本当に面白かった。フロッピーディスクというレトロなアイテムを使った設定が古臭いかもって思ってたけど、逆にそれが物語の魅力を引き出してるんだと気づかされました。 54個のファイルから少しずつ明かされていく真実、その先に待つ予想外の展開——井上ワールドって本当にクセになります。主婦の日記という一見つまらなそうな素材から、こんなに複雑で深い謎が紡ぎ出されるなんて。読み進めるたびに「えっ、これどういうことだ?」の連続で、一気読み必至です。 ただ、正直なところ終盤の説明がちょっと急足で、もう少し丁寧に読者を導いてほしかったという気はします。それでも、アイデンティティーの揺らぎやリアリティの崩壊といったテーマの深さは、読んでる最中にジワジワと脳に突き刺さってくる。新社会人の今だからこそ、自分は何者なのかって問い直させられる感覚が新鮮でした。話題の本を読む価値、ちゃんとありますよ。

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