莉子_booksの本棚
珈琲店タレーランの事件簿9 ピーベリーは美しく輝く

珈琲店タレーランの事件簿9 ピーベリーは美しく輝く

岡崎琢磨 宝島社 2026年3月4日

シリーズ9作目ということで、今さらながら手に取ってみました。話題になっているのも納得です。 この巻は、珈琲店タレーランに寄せられた連続する低評価レビューが謎解きの中心。公務員として日々書類作成に携わる身としては、レビューや評判というものがどれほど営業に影響するか痛感しているので、この設定だけで引き込まれました。 主人公たちの推理の過程が自然で、各登場人物の動機もしっかり描かれています。バリスタの美星とアオヤマのやり取りも心地よく、二人の関係性の微妙な変化を感じながら読むのが楽しい。珈琲の描写も丁寧で、店を訪れたことのない私でも、あの空間に吸い込まれていくような感覚を味わえます。 収録の掌編「優しい人」も素敵でした。本編との絶妙なバランスが、このシリーズの魅力なんだと改めて感じます。ミステリーとしての満足度と、喫茶店という舞台の温かさが両立している稀有なシリーズ。これからも追い続けたいと思わせてくれる一冊です。