斎藤の本棚
感想

小川糸の新しいエッセイ集を読んで、ここ数年で一番心が満たされた気がします。 著者が全国8県20か所を巡って出会った、食に人生をかけている人たちの話。山形の茶屋、沖縄の森、能登の復興地など、地域ごとに異なる風景の中で、料理を通じて人生の深さに触れていく。その静謐で丁寧な描写を読んでいると、自分の日々の食事がいかに誰かの想いに支えられているのか改めて気づかされます。 主夫として毎日キッチンに立つ身としては、特に心に響きました。料理をつくることの意味、それを誰かが食べてくれることの喜び。著者が訪ねた人たちの姿勢から学べることは本当に多い。読み終わった後、無性に誰かのために何か作りたくなる。そういう本です。 話題になっているのも納得。現代人が失いかけている何かを、この本は優しく教えてくれます。毎日の食卓が少し違って見える一冊。ぜひ多くの人に読んでほしいと思います。

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