絵本論

絵本論

瀬田貞二

出版社:株式会社 福音館書店 出版年月日:1985/11/01

株式会社 福音館書店 | 1985/11/01

4.00
本棚登録:2人

みんなの感想

感想

子どもの頃に読んだ絵本って、今思い返すと不思議な力を持ってたなあって感じます。そんなことを考えながら手に取った一冊です。 著者が長年にわたって追求してきた「絵本とは何か」という問いかけは、確かに興味深いポイント。子どもたちにとって本当に必要な物語とは何なのか、丁寧に考察されている点は好感が持てました。研究的なアプローチながらも、所々に著者の絵本への想いが感じられて、その部分は読んでいて温かい気持ちになります。 ただ、正直なところ全体的には「うーん」という印象が拭えません。論文としての厳密さと読みやすさのバランスが、私にはちょっと噛み合わない感じ。大学院の研究に活かせるような深い知見もあるんでしょうけど、気軽に読書を楽しみたい気分のときには少し重く感じられました。 絵本について本格的に学びたい人には良い一冊だと思いますが、私みたいなカジュアル読者にとっては、参考になるところと退屈に感じるところが混在している、というのが正直な感想です。

感想

八十路を迎えた身で、こんなに考えさせられる本に出会うとは思いませんでした。福音館書店の編集者による絵本論ですが、これは単なる児童文学の解説ではない。人間にとって本当に必要なものは何か、という根本的な問いかけが随所に感じられます。 自営業で長年商売をしてきた経験から言えば、商品にも人間にも「本質」というものがある。著者はその絵本の本質を、何十年もかけて追い求めてきたのだろう。その誠実さが文章から伝わってきます。 子どもたちのために作られるべき絵本とは何か、その思想の一貫性に感銘を受けました。孫たちにどんな本を読ませるかで迷ったことのある身としては、確かな指針を得た気がします。話題の本というより、時代を超えて価値を持つ一冊だと感じます。 最後の「すべての人の必読書」という帯の言葉も、決して大げさではないと思います。年を重ねてからこそ、余計にその重要性が見えてくるような、良い本との出会いでした。

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