北の国から 後編

北の国から 後編

倉本聰

出版社:理論社 出版年月日:1981/01/01

理論社 | 1981/01/01

4.00
本棚登録:2人

みんなの感想

感想

仕事でロジカルに物事を考える癖がついていると、物語の中で純が自然と向き合う過程がとても新鮮に映りました。都会から北海道の原野へ移り住むという劇的な環境変化を通じて、人間がいかに自然と関係を結び、そこから何を学ぶのか。それが派手な演出なしに丁寧に描かれていて、むしろその地道さが良かったです。 エンジニアとしてのキャリアを積んでいると、効率や最適化ばかり考えてしまうのですが、この作品には計算できない部分の大切さが溢れています。妹の螢との関係性も含めて、人間の成長ってこういう「余白」の中にあるんだなと改めて感じさせられました。 ただ、個人的には後編という構成がやや制約になっていたのか、より深掘りしてほしかった部分もあります。それでも、現代を生きる大人が読んでも十分に問い直されるものがある。人文的な問いと物語性のバランスが見事で、やはり評価の高い作品というのは理由があるんだと納得できました。

感想

北海道の原野で生きることの意味を問い直させてくれた作品だ。都会から突然、厳しい自然環境へ放り込まれた兄妹が、父とともに何をどう学んでいくのか——その過程の描き方が実に丁寧である。 本作の魅力は、単なる成長物語に留まらない点にある。自然との向き合い方、家族の絆、そして人間が生きるうえで本当に必要なものは何かという問題が、説教臭くなく自然に立ち上がってくる。フリーランスとして生計を立てている身としては、物質的な豊かさと精神的な充足のズレについて考えさせられる部分も多かった。 後編ということで前作を踏まえた展開となるだろうが、この巻単体でも人生観に影響を与える力を持っている。懐かしさと新しさが同居した文体も心地よく、再読する価値は十分にある。現代を生きる大人こそ、この物語から学ぶべき視点があるのではないだろうか。

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