容疑者Xの献身
文藝春秋 | 2008/08/01
みんなの感想
文藝春秋の話題作ということで、いくつかのレビューを読んでから手に取りました。確かに人気のある理由は理解できます。天才数学者による完全犯罪と、それを解き明かそうとする物理学者という設定は秀逸で、二人の緊迫した対峙は充分に魅力的です。 ただ、正直なところ、想像していたほどの衝撃はありませんでした。ストーリーの骨組みは確かに工夫されていますが、人間関係の掘り下げという点では若干物足りなさが残ります。特に石神の動機となる感情描写については、もう少し複雑さがあってもいいのかなと感じました。 とはいえ、このシリーズの入口としては十分な完成度があり、多くの読者が評価する理由も頷けます。フリーランスの身で時間に余裕がある時に、勢いで読むには適切な長さと構成です。次作を読むかどうかは、しばらく検討してからにしようかな、というところです。
直木賞受賞作ということで、ずっと気になっていたこの作品をようやく手にした。東野圭吾のガリレオシリーズ初の長篇ということだが、正直なところ期待値とのズレを感じた。 物語の枠組み自体は秀逸だ。天才数学者が完全犯罪を仕掛け、かつての友人である物理学者がそれに挑むという構図は、確かに知的興奮を約束している。実際、中盤までの緊張感は見事に構築されている。 だが読み進めるにつれ、やや人工的な感覚が拭えなくなった。登場人物たちの動機付けに説得力を感じ切れず、特に石神というキャラクターの行動が、数学的な美しさの追求という設定に比べて、どこか図式的に見えてしまう。また、犯罪トリックの巧妙さより、その背後にある人間関係の葛藤がもっと深掘りされてもよかったのではないか。 もちろん、エンタメ小説としての完成度は高く、一気読みの面白さは確保している。ただ、この種の傑作として記憶に残るほどの余韻や深さには、私個人としては至らなかった。フリーランスとして様々な分野の本を読む身だからこそ、この普通という評価は決して悪くはなく、むしろ誠実な感想だと思っている。
書店で何度も目にする作品だったので、思い切って手に取ってみました。有名な作品だけあって、丁寧に作られている印象を受けます。 ガリレオシリーズということで、科学知識を活かした謎解きが中心かと思っていたのですが、実際には人間関係の複雑さがより前面に出ているように感じました。数学者の主人公が隣人への想いから完全犯罪を企てるという設定は興味深く、その緻密な計画と、それに対する物理学者の推理という構図も面白いですね。 ただ、正直なところ、ここまで話題になっている理由をすべて理解できたかどうか、自信がありません。登場人物の動機やくり返される会話の意味など、もう一度丁寧に読み返してみたい気もします。特に最後の部分は、もっとゆっくり考えながら読む必要があったのかもしれません。 物語としてはしっかりしているし、文章も読みやすいです。ただ、私にとっては「なるほど」という感動よりも、「こんなこともあるのね」という、やや距離を置いた感じで読み終わってしまった、というのが正直な感想です。
以前から評判を聞いていたので、思い切って手に取ってみました。正直なところ、ミステリー小説は予測不可能な展開に驚かされることもあれば、後半で説得力に欠けることもあると思っていたのですが、この作品は違いました。 石神という数学教師の人物設定がとても効果的で、彼の行動の一つひとつが緻密な計算に基づいているという設定が、物語全体に説得力を与えています。また、湯川学という天才物理学者との対比も秀逸。二人の知的な戦いを通じて、ミステリーの謎が段階的に解き明かされていく過程が非常に心地よく読めました。 年代を重ねると、完璧さを求める人間の危険性や、純粋な想いが生み出す悲劇といった深いテーマに、一層の重みを感じるようになりました。単なる犯罪トリックの面白さだけでなく、登場人物の心情描写が丁寧なところも良かった。慎重な性格なので慎重に作品を選ぶようにしていますが、この一冊は本当におすすめできる傑作だと思います。
同僚からの強い推薦で手に取った一冊。最初は「また東野圭吾か」なんて思っていたんですが、読み始めたら一気でした。 石神という高校教師の行動原理に引き込まれます。数学の天才なのに地味な人生を送る彼が、隣人への片思いから何をするのか—そのシンプルだけど切実な動機が、物語全体を支えているんですね。特に前半の犯罪隠蔽のくだりは、綿密な計算と感情の揺らぎが絶妙に絡み合っていて、思わず息を呑みました。 そして湯川学との対決の構図も秀逸。二人の関係性、かつての親友同士が向かい合う場面は、ミステリ好きなら興奮すること必至です。科学的なトリックもわかりやすく、数学や物理が苦手な私でも十分に楽しめました。 ガリレオシリーズの入口として選んだんですが、これは長篇だからこそできる深い人物描写が素晴らしい。会社帰りの電車で続きが気になって、帰宅後も夜更かしして読んでしまいました。久しぶりに心を掴まれた一冊です。
噂に聞いていた『容疑者Xの献身』をようやく手に取りました。直木賞受賞作ということで、期待を持って読み始めたのですが、その期待以上の面白さに引き込まれてしまいました。 何といっても、不遇な数学教師・石神というキャラクターの造形が素晴らしい。隣人への一途な想いがこんなにも切実で、ここまで追い詰められた心理を描けるのかと感心しました。その彼が企てる「完全犯罪」の構造は、数学的な論理の美しさとも相まって、ページをめくる手が止まりません。 そして何より、物理学者・湯川学との対峙という構図が巧妙。かつての親友同士が、知力を尽くして相対する緊迫感は本当にたまりません。科学的知識が物語に自然に組み込まれていて、それが謎解きの魅力をより一層引き立てています。 人間の弱さと強さ、愛情と執着、犯罪の本質まで、いろいろなことを考えさせられました。このシリーズの入口として、これ以上にない傑作だと思います。読み終わった今、他のガリレオシリーズも気になってしまいました。
直木賞受賞作ということで、かなり期待値が高い状態で手に取りました。結論から言うと、その期待を見事に満たしてくれた一冊です。 ストーリーの構造がとにかく秀逸。エンジニアとして仕事をしていると、問題解決のプロセスの美しさに目がいくのですが、この作品の謎解きはまさにそれ。石神の綿密な計画と湯川学の推理が交互に描かれることで、緊張感が徐々に高まっていく感覚が心地よかった。どちらが勝つのか、その過程で何が明かされるのか、最後までページをめくる手が止まりませんでした。 特に印象的だったのは、主要人物たちの人間的な側面です。完全犯罪という題材にありがちな冷徹さだけでなく、登場人物たちの葛藤や想いが丁寧に描かれていて、単なるミステリーを超えた深さがある。ラストの一場面は、理屈だけでは説明できない何かがあり、そこが文学としての強さなのだと感じました。 ガリレオシリーズ初の長篇という触れ込みも納得。今後シリーズを読み進めたくなる、そんな魅力的な作品です。
ガリレオシリーズの長篇という触れ込みで手に取りましたが、正直なところ期待値とのギャップが大きかったです。 確かにストーリーの骨格は興味深く、天才数学者が完全犯罪を企てるという設定は魅力的です。石神の想いと行動、そして湯川との対比という構図も理解できます。ただ、読み進める中で登場人物たちの感情描写が浅く感じられてしまいました。特に石神の秘かな想いという最大のドライビングフォースが、心理的にもっと深掘りされてもよかったのではないでしょうか。 また、長篇として期待した分、中盤以降は推理小説としてのテンションが緩む部分が目立ちます。短編の連作で威力を発揮するシリーズだからこそ、長篇化することでの弱さが見えてしまった印象です。 数学と物理という知的要素を活かした謎解きは洗練されていますが、人間ドラマとしての奥行きに欠けるのが残念。直木賞受賞作というステータスに頼らず、もっと登場人物の内面を掘り下げてほしかった作品です。
直木賞受賞作だと知ってから、いつかは読もうと思っていた一冊をようやく手にした。正解だった。 東野圭吾の描く天才数学者・石神の深刻さと切実さが、どうにも心に引っかかる。高校教師として日々を淡々と過ごしながら、隣人の女性に秘めた想いを抱き続ける男が、ある事件に直面したとき、その才能を使って完全犯罪を企てるというシナリオは、一見すれば凶悪な犯罪小説にも思える。しかし読み進むにつれ、愛情と献身の深さが、純粋な形で表現されていることに気づかされる。 自営業で長年商売に関わっていると、人間関係の絡み合いや、他者のための行動がもたらす結果をつくづく考えさせられる。この作品もそうした複雑な人間の心理に光を当てている。物理学者・湯川学との対峙という構図も秀逸で、謎解きの快感と人間ドラマの深さが両立している。 傑作と評される理由が納得できた。人文書を中心に読む身だからこそ、娯楽小説の中に人間の本質を見つけ出す快感を味わえるのだろう。ガリレオシリーズの出発点として、これ以上ないほど完成度の高い作品だと確信する。
このミステリー小説は、東野圭吾の傑作として有名だということは聞いていたが、ようやく手に取る機会に恵まれた。結論から言うと、期待に違わぬ充実した読み味だった。 物語の核となる完全犯罪という設定は、一見すると王道的だ。しかし、天才数学者が愛する者のために仕掛ける綿密なトリックと、そこに立ち向かう物理学者との対比が実に見事。管理職として部下の動きを予測することに長けている身としては、登場人物たちの心理戦や綿密な計算に、思わず引き込まれてしまった。 何より興味深いのは、単純な犯人追跡劇に終わらず、人間の感情と理性、愛情と道理の葛藤を深く掘り下げている点だ。石神という主要人物の矛盾した想いが、読み進めるにつれて浮き彫りになっていく構成は秀逸である。 気軽に読める小説として手に取ったが、仕事の合間に思わず続きが気になって、寝る時間を削ってでも先へ進みたくなる、そういう吸引力がある。こういう質の高いエンタテインメント小説は、疲れた日々の中でも心を満たしてくれるものだ。
テレビドラマで見かけて、いつか読んでみたいと思っていた本がようやく手に取れました。噂通り、本当に面白い! 数学の天才が隣人のために何をするのか、その執念がひしひしと伝わってきます。完全犯罪を企てるくだりは、どきどきしながらページをめくる手が止まりません。でも単なるミステリー小説ではなくて、人間の心の奥底にある切実な想い、愛する者のためなら何でもしてしまう心情が丁寧に描かれているんです。 湯川学という別の天才が真実を追う側として現れることで、物語に緊張感が生まれます。この二人の対立というか、かつての友人同士の葛藤がたまりません。途中からもう先が気になって気になって、寝る時間を忘れるほどでした。 パートの仕事の帰り道、続きが気になって歩きながら考えてしまったほど。この年になると、こんなに一気読みする機会も少なくなりましたから、本当に久しぶりの興奮です。直木賞を受賞した理由もよく分かりました。推理小説好きな友人にも勧めたいと思います。
直木賞受賞作ということで期待値が高かったぶん、正直なところ物足りなさが残りました。 石神の献身という題材は非常に興味深く、天才数学者が完全犯罪を企てるというプロット自体は引き込まれました。ただ、読み進めていくうちに感じたのは、ロジックの展開がやや一面的だということです。湯川学との対決の構図も、もう少し複雑な心理描写があってもよかったのではないでしょうか。 フリーランスで自分のペースで本を選ぶ身だからこそ、レビューを参考にして期待値を持って手に取った分、その落差が大きく感じられました。ガリレオシリーズの入口として読むには十分ですが、長篇だからこそ深掘りされるべきキャラクターの内面がやや浅い気がします。 エンタメ性は高いので、ミステリー初心者や気軽に読みたい方には向いているかもしれません。ただ、小説の奥行きを求める読者には、別の作品をおすすめしたいというのが正直な感想です。
久しぶりに一気読みしてしまった。仕事の合間に手に取って、気がついたら徹夜していたというやつだ。 東野圭吾のガリレオシリーズ初の長篇ということで、前々から気になっていたのだが、今回やっと読む機会に恵まれた。数学という純粋な学問の美しさと、人間の感情の複雑さが見事に絡み合った作品だ。不遇な高校教師の献身的な行動が、どこまでが愛なのか、どこまでが執着なのか、その曖昧さが実に興味深い。 何より素晴らしいのは、二人の天才が織りなす頭脳戦のスリル感だ。物理学者との対決構図は、読んでいて心地よい緊張感が続く。謎解きとしての完成度も高く、伏線の張り方も実に丁寧。読み終わった後に、あの場面はそういう意味だったのかと気づく喜びがある。 自営業で日々の雑事に追われる身だからこそ、こうした知的興奮を求めてしまうのだろう。ページをめくる手が止まらず、人間ドラマとしても謎解きとしても完成度の高い傑作だと思う。ガリレオシリーズの他の作品も読んでみたくなった。
正直なところ、これまで東野圭吾の作品をちゃんと読んだことがなかったんですけど、友人の強い勧めと数々のレビューの高評価に背中を押されて手に取ってみました。結果として、大正解でした。 漫画やライトノベルばかり読んでいた自分でも一気読みできるほど、ストーリーの引き込まれ方が素晴らしい。単純な犯罪サスペンスではなく、登場人物たちの複雑な心情や葛藤が丁寧に描かれているのが魅力です。特に、才能を持ちながらも報われない人生を送る主人公の悲哀と、彼が秘めた想いのために何をするのか——そのパートが本当に胸に迫ります。 そして何より、数学と物理という理系の知識をトリックに組み込みながらも、難しすぎず読みやすく工夫されているのがいい。親友同士の対立構図も秀逸で、完全に話に没入できました。長編というのも納得で、この世界観に浸っていたいと思わせる完成度があります。もう少し早く読んでいれば良かったと後悔するレベルです。
数学とミステリーの融合という設定に惹かれて手に取った一冊でしたが、期待以上の完成度に驚きました。 石神という主人公の造形が秀逸です。天才的な頭脳を持ちながら、社会的には報われていない日々を送る彼が、隣人への想いをきっかけに完全犯罪を企てるという設定は、理系の人間として彼の心理が妙にリアルに感じられました。エンジニアとして仕事をしていると、どれだけ優秀でも評価されないことの悔しさや孤独感は身に沁みて理解できるのです。 一方、湯川学との対比も巧妙です。同じ天才でありながら、まったく異なる人生を歩んだ二人の葛藤が、物語を緊迫感のあるものにしています。事件の真犯人が誰かという推理要素だけでなく、それを解く側の動機や感情まで丁寧に描かれているところが、単なるミステリーの枠を超えた魅力になっていると感じました。 論理的な整合性と人間的な感情のバランスが絶妙で、徹夜してでも続きが気になる引き込まれ方。直木賞受賞も納得です。ガリレオシリーズを初めて読みましたが、これから他の作品も読みたくなりました。
久しぶりに徹夜してしまった。こういう本に出会うと、フリーランスの気楽さが活躍する。朝方まで一気読みできるんだから。 「容疑者Xの献身」は、その題名の通り、ある男の深い献身がもたらす結果を描いた傑作だ。天才数学者が隣人のために企てる完全犯罪と、かつての友人である湯川学が挑む謎解きの対比がすごい。登場人物たちの心理描写が秀逸で、特に石神というキャラクターの複雑な感情が、ページをめくるたびに引き込まれてしまう。 ミステリーとしての完成度も高いし、何より人間ドラマとしても成立している。トリックの巧妙さに驚嘆しながらも、その先にある人間関係の切実さに心が動かされる。ガリレオシリーズの入口としても申し分ない一冊。 気軽に読める本も好きだが、こうして思考を揺さぶられるような傑作もたまには必要だ。改めて直木賞受賞作の価値を実感できた。
テレビドラマで何度か見かけた話だから、あらすじはだいたい知っていたんですけどね。文庫で改めて読んでみたら、これがもう面白くて、仕事から帰ってきても手が止められませんでした。 石神という高校の数学の先生が、隣に住む女性を一途に思い、彼女の危機を救うために完全犯罪を企てる。その緻密な計算と、親友の物理学者との対峙の構図が、本当に引き込まれるんです。年を重ねると、こういう人間関係の複雑さや、ねじれた愛情というものがより深く心に響くようになるのかもしれません。 東野圭吾さんの筆力はさすがで、謎解きの楽しさと人間ドラマが両立している。どんでん返しのあり方も見事ですし、登場人物たちの心情描写が丁寧でいい。ページをめくる手が止まりませんでした。 初めての長編ということですが、それとは思えないほど完成度が高い。文庫も読みやすいし、これからシリーズを続けて読みたくなりました。気軽に読める傑作です。
世間で評判の本だからと、やや躊躇しながら手に取った一冊でした。正直なところ、ハリウッド映画のようなエンタメ性より、人間の深い感情を描いた作品を好む方なのですが、この作品は見事にその両立を成し遂げていますね。 主人公の石神という高校教師の、一途な想いと数学の才能が織り成す悲劇。そして彼の親友である湯川学との対比。パート勤務で時間に余裕のある身だからこそ、じっくり味わえる心理描写の細やかさに引き込まれました。完全犯罪という大掛かりなテーマながらも、根底にあるのは人間らしい感情なんです。 東野圭吾の作品は初めてでしたが、こうした丁寧な筆運びであれば、これからも安心して読み進められそう。直木賞受賞というのも納得です。人生経験が増した年代だからこそ、登場人物たちの選択や葛藤がより深く理解できるのだと感じました。長篇ながら一気読みさせる力強さ。やはり世間の評判は伊達ではありませんね。
大学の図書館でよく見かけるので、ついに手に取ってみました。ガリレオシリーズということで、湯川学のキャラは好きなんですが、この長篇ではどうだろう…という期待と不安での読破です。 石神という天才数学者が、隣人への一途な想いから完全犯罪を企てるという、なかなかロマンティックな設定。ただ個人的には、その献身の部分があまり響きませんでした。もちろん、数学を使ったトリックの部分は丁寧に描かれていて興味深いし、湯川との対比も面白いんですけど、全体的には「ああ、そっか」程度の感想で終わってしまった感じです。 ベストセラーだし直木賞作だしで、期待値が高かったのかもしれません。つまらないわけじゃないんです。むしろページをめくる手は止まりませんでした。でも「心に残る何か」を求めていた私には、もう一歩足りない印象。気軽に楽しむミステリとしては十分な一冊です。
久しぶりに一気読みしてしまいました。東野圭吾の『容疑者Xの献身』です。 会社でも同僚が「面白い」と勧めてくれていたので、気になっていたんですよね。手に取ってみると、もう止められない。数学という一見難しそうなテーマが、こんなにもドラマティックに描かれるのかと驚きました。 石神という天才数学者の、静かだけど激しい感情の揺れ動きが本当に切ない。隣人の靖子さんへの向き方が、純粋で、悲しくて、でもどこか危ういんです。その彼が完全犯罪を企てるまでの執念が、数学的な論理で組み上がっていく様子は秀逸だと思いました。 そしてなんといっても湯川学との対比がいい。友人でありながら敵対する関係性が、緊迫感を最後まで失わせない。トリックの鮮やかさはもちろん、人間ドラマとしても深みがあります。 年甲斐もなくドキドキしながら読み進めてしまいました。仕事で疲れた日の夜は、こういう本が本当に救いになりますね。ガリレオシリーズの入口として、これ以上ない傑作だと思います。
ここ数年、東野圭吾は必ずチェックするようにしているが、この作品は本当に傑作だ。数学という論理の世界と人間の感情が見事に交錯する設定に、すぐに引き込まれた。 石神という主人公の切実な想いから始まる物語が、徐々に複雑さを増していく構成は秀逸。完全犯罪というテーマでありながら、単なるミステリではなく、人間関係の機微や心理描写に深さがある。そして湯川との対比が効いている。かつての友人同士が対立する緊張感は、ページをめくる手が止まらなくなる。 仕事で疲れているときも、この本に限っては一気読みしてしまった。数学的な巧妙さと、哀切な人間ドラマが完璧に調和していて、単なるエンタメを超えた面白さがある。文庫本で手軽に読めるのも良い。同世代の会社員だからこそ、人生の選択と後悔というテーマもひときわ響く。ガリレオシリーズの入口として選んだが、これは本当に正解だった。
仕事で疲れ切った夜、ようやく手に取った一冊でした。正直なところ、これほど一気読みしてしまうとは予想していませんでした。 石神という主人公の設定がこうまで深く心に響くとは。天才でありながら世間に認められない日々、そして隣人への秘めた想い——そうした人間らしい葛藤が丁寧に描かれています。彼が完全犯罪を企てる動機が単なる善意ではなく、切実な感情に基づいているところに東野圭吾の筆力を感じました。 何より秀逸なのは、ガリレオシリーズ初の長篇とは思えない完成度の高さです。湯川学との対比、数学と物理という異なる領域での思考の衝突、そして二人の友情の複雑さ——これらの要素が見事に統合されています。中盤までのサスペンスとしての緊張感、終盤への畳み掛け、そして予想外の決着。ページをめくる手が止まりません。 かなり有名な作品でもあり、レビューの評判も上々だったので手に取った次第ですが、その期待値を十分に上回る出来栄えでした。今までに読んだ国内ミステリの中でも指折りの傑作だと言えます。
話題を集めていたガリレオシリーズをようやく手にした。東野圭吾という名前は経営層の間でも度々聞こえてくるが、実際に読むのは初めてだ。 本作の面白さは、単なるミステリの枠を超えている。天才数学者が愛する者を守るために完全犯罪を仕掛け、もう一人の天才がそれに立ち向かう――この緊迫した対立構造が、実に巧みに構築されている。二人の天才の思考が交錯する様は、経営判断の緊張感を思わせて、非常に引き込まれた。 何より素晴らしいのは、犯人側の心理描写の深さだ。不遇な人生を送る石神という人物の内面が丹念に描かれることで、単なる「悪人」では済まされない複雑さが生まれている。管理職として部下の心情を読む必要のある自分にとって、こうした心理描写は極めて興味深かった。 話題作の評判は伊達ではない。ミステリとしての完成度、登場人物の魅力、そして人間の根源的な葛藤が見事に融合している。多忙な中でも一気読みしてしまう力強さがある作品だ。
話題の『容疑者Xの献身』をようやく読み終わりました。直木賞受賞作ということで、前々から気になっていたのですが、期待以上の面白さです。 石神という孤独な天才数学者が、隣人の女性のために完全犯罪を企てるというプロット。一見、ミステリーですが、実は深い人間ドラマなんですね。公務員として日々ルーティンワークをこなす自分からすると、社会の中で誰にも認められない才能を持つ石神の葛藤がすごく胸に響きました。 特に印象的だったのは、湯川学との対比。同じ天才でも、一人は光を浴び、一人は暗闇で輝く才能を秘したまま。そのコントラストの中で展開する物語の緻密さに、一気読みしてしまいました。 数学的なトリックが複雑すぎないので、ミステリー初心者にも読みやすいのも良いところ。それでいて、愛や献身といったテーマの重みもある。この本が流行っている理由がよく分かります。ガリレオシリーズ、他の作品も今から楽しみです。
話題になってたドラッカー本ということで読んでみました。直接教えを受けた著者の視点というのは確かに貴重だと思います。マネジメント=管理じゃなくて創造だという指摘は納得できるし、実務的な視点で書かれているのも良いですね。 ただ、正直なところ自分はまだ専門学校生で、実際にチームを率いた経験がないせいか、概念的な部分が多めに感じてしまいました。理論は理解できるんですけど、具体的にどう応用するかのイメージが湧きにくい箇所もあります。もっと経営の現場にいる人向けなのかもしれません。 今後キャリアを積んでいく上で役に立つ知識は確実に得られました。でも今この瞬間には、もう少し初心者向けの解説があると嬉しかったなというのが正直な感想です。基礎を押さえてから改めて読み直すと、違う見え方がするかもしれません。
以前から気になっていたガリレオシリーズということで、ようやく手に取ってみました。正直なところ、期待以上の面白さでした。 天才数学者が完全犯罪を企てるという設定だけで興味をひかれましたが、読み始めるとその緻密さに引き込まれます。石神という主人公のキャラクター設定がいいですね。数学の才能を持ちながら高校教師として平凡な日々を送る彼が、隣人への秘かな想いから犯罪隠蔽へ動く経緯が自然で説得力がある。 何より印象的だったのは、物理学者・湯川との対比です。同じ科学者でありながら異なる道を歩んだ二人が、謎解きを通じて対峙するという構図は秀逸です。数学と物理というアプローチの違いが、ストーリーを層厚くしている。 自営業で日々忙しい身ですが、この一冊は一気読みさせてくれました。エンタメ性と知的興奮のバランスが絶妙で、久しぶりに「いい本に出会ったな」と思える作品です。長編だからこそ味わえる満足感がありますよ。
話題作だからと手に取ったこの本、本当に面白かった!数学者の石神が隣人のために企てる完全犯罪という設定だけで興味をそそられるんですが、読み進めていくうちにどんどん引き込まれていきます。 何より素晴らしいのは、犯罪サスペンスでありながら登場人物たちへの深い感情移入が生まれるところ。石神の献身的な想いと行動、そして湯川学との対峙が絶妙に絡み合って、最後まで一気読みしてしまいました。家事の合間にコーヒー片手に読んでいたはずが、気がついたら徹夜している自分がいました(笑)。 東野圭吾さんの文章は分かりやすいのに奥深く、ミステリーとしての謎解きの面白さと、人間関係の複雑さがしっかり両立しているんです。ガリレオシリーズの初の長編だということですが、これなら他の作品も読みたくなりますね。日常から少し離れて、頭も心も使いながら楽しめる素敵な一冊でした。
随分前から話題になっていた本だから、この年になってようやく手に取ってみたよ。直木賞受賞作ということで、期待も大きかったんだがね。 ストーリーは確かに巧妙で、完全犯罪を企てる数学者と、それを追う物理学者という設定の対比は面白い。天才同士の対戦という趣向も、なかなかうまく構成されている。読み始めたら引き込まれて、一気に読み進めてしまった。 ただ、正直なところ、これといって心に残るものがなかったな。謎解きとしてはきちんと着地しているし、登場人物たちの動きも納得できるんだが、それ以上の何かがない。自営業で長く生きていると、こういう「仕掛けの面白さ」だけの本は多くあるのを知っているからね。 文庫本という手軽さは良い。寝る前に少しずつ読むのに適している。話題作として一度は読んでおいても悪くない作品だとは思う。ただ、これを人に強く勧めようとは思わないな。及第点といったところか。
世間で話題になっていたので、図書館で借りてみました。評判通りの傑作でした。 天才数学者が隣人への秘かな想いから完全犯罪を企むという設定が秀逸。東野圭吾さんはやはり違いますね。物理学者の湯川学とのやり取りが緊張感を生み出していて、ページをめくる手が止まりませんでした。 年を重ねると、登場人物たちの心理描写の細やかさが身に染みます。石神という男の純粋さ、そして悲哀。隣人の母娘を想う心情。読み進めるにつれて、単なるミステリーではなく、人間の業や愛情について考えさせられました。 直木賞受賞作というのも納得です。ボランティア仲間にも勧めたい一冊。文庫版なので入手も簡単ですし、長編ながらテンポよく読めるのもいいですね。久しぶりに夜更かしして読み耽ってしまいました。同じシリーズの他の作品もぜひ読んでみたいと思わせてくれる、そういう魅力のある本です。
話題の作品ということで手に取ってみました。直木賞受賞作というのも興味をそそられたものです。 天才数学者が隣人のために完全犯罪を企てるという設定は、なかなか興味深い。石神という人物の秘められた想いと行動が、物語の中心になっているわけですね。湯川学というかつての親友が謎に挑むという対比も、なるほどと思わせるところがあります。 ただ、正直なところ、自分の年代にとっては少し新しすぎるのかもしれません。物理学や数学の理論が多く登場するのですが、そうした部分について行くのに労力がいりました。若い頃なら、こういった知識的な側面にもっと興味が持てたかもしれませんね。 物語としては筋道が通っていて、読んでいて退屈することはありませんでした。ただ、特に心を揺さぶられるような場面があったかと言えば、そこまでではなかったというのが率直な感想です。流行っているのも分かるような気はしますが、個人的には「まあ、こんなものか」という印象が残ってしまいました。 定年後の読書生活の中では、これからも様々な作品を試してみるつもりです。