聖女の、遺産
新潮社 | 2026/03/30
みんなの感想
SNSで話題になってたからついに読んでみました!異世界ファンタジーと恋愛小説を融合させたって聞いて、どうなんだろうって思ってたけど、予想以上に良かった。 主人公の奈枝が祖母の衣装簞笥から異世界に落ちるってシチュエーション自体がユニークだし、そこから始まる彼女と少年セイクリッドの関係性がじんわり染みてきます。時間の流れが異なるっていう設定が、ただのファンタジー的な面白さに留まらず、恋愛のもどかしさを引き立てるのが秀逸だと思いました。 会うたびに成長する彼との関係が色づいていく描写は、本当に切ない。ネタバレになるから詳しくは言えませんが、すれ違いから繋がらなくなってしまう展開はもう…胸がギュってなります。最後の方は涙ぐみながら読んでました。 文庫版だからこそ手に取りやすいし、一気読みしちゃう面白さですよ。恋愛小説好きなら絶対読む価値あります。話題作として納得でした。
異世界と現実を繋ぐ衣装簞笥という設定に惹かれて手に取ってみました。こういう独特な世界観って、いくつもの物語を想像させてくれるので好きです。 祖母の形見の衣装簞笥から異世界に落ちた奈枝と、そこで出会う傷だらけの少年セイクリッドの関係性が本当に切実で、ぐっときます。二つの世界を行き来する奈枝の想い、時の流れの違いから生まれるすれ違い……こういった設定を使ってこんなにも切ない物語が作られるんだなと改めて感じました。 公務員という仕事をしていると、毎日がルーチンになりがちなので、こういう幻想的で感情的な物語に浸る時間は本当に貴重です。一途な想いに涙するというキャッチコピーが伊達じゃなく、ラストに向けて心がきゅっと締め付けられるような感覚。でも後味は優しくて、読み終わった後もそっと温かい感情が残るんです。 著者代表作シリーズの完全版ということで、丁寧に作られたんだろうなという印象も受けました。気軽に読める一冊として、ぜひ多くの人に手に取ってほしいです。
新社会人になって、仕事で疲れた日の夜に読む本を探していました。書評サイトで高評価だったこちらを手にとってみたのですが、本当に正解でした。 祖母の形見の衣装簞笥が異世界へのドアになるという設定だけで既に引き込まれるのですが、そこから展開する物語の切なさと深さに驚きました。主人公・奈枝とセイクリッドの関係が時間の流れという残酷な条件によって複雑に絡み合っていく様は、ただのファンタジー恋愛小説では終わらない何かを感じさせます。 特に印象的だったのは、二人の想いがすれ違ったまま繋がりが断たれてしまう場面です。その後の展開については触れられませんが、その切なさだけで何度も読み返したくなる作品です。文体も読みやすく、一気読みしてしまいました。異世界ものでありながら、どこか現実的で温かみのある世界観も魅力的です。新刊で探すより文庫版で手軽に読めるのも嬉しい。疲れた心を優しく包んでくれる一冊でした。