この世の喜びよ

この世の喜びよ

井戸川 射子

出版社:講談社 出版年月日:2022/11/10

講談社 | 2022/11/10

5.00
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みんなの感想

感想

芥川賞受賞作ということで手に取ってみたのですが、本当に良かった。派手な展開や強烈なドラマがあるわけではないのに、ページをめくる手が止まりませんでした。 表題作の「この世の喜びよ」は、ショッピングセンターという日常的な場所と、そこで交わされるささやかな人間関係を丁寧に描いています。読んでいると、自分もそこに立っているような感覚に陥るんです。仕事の疲れで帰宅後にぼんやり読むのに、これ以上なく心地よい。 収録されている他の作品も同じく、何気ない日常の中にある「見落としていた大切なもの」に気付かせてくれます。「マイホーム」では建売住宅の展示会での体験、「キャンプ」ではごく普通の家族の時間が、こんなにも物語になるのかと驚きました。 41歳になると、毎日が結構ルーチン化してしまうんですが、この本を読むと世界が少し新鮮に見え直す感じがします。余韻の残る読み終わりも素敵。仕事のストレスで疲れているあなたにこそ、おすすめしたい一冊です。

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