ご冗談でしょう,ファインマンさん 上
ファインマン,R.P. / 大貫昌子 / 江沢洋
岩波書店 | 2000/01/14
みんなの感想
最近登録された他の本の感想
2026年06月01日
2026年4月の法改正を知ったとき、正直なところ自分の自転車利用習慣を見直さなければならないなと感じていました。ながらスマホや歩道走行など、知らず知らずのうちに当たり前にやっていたことが違反対象になるわけですから。 この本は、そうした曖昧な理解を一掃してくれる実用的なガイドです。青切符制度の概要から反則金の仕組みまで、必要な情報が過不足なくまとめられている。何より良いのは、単なる規制の説明に終わらず「なぜそうなったのか」という背景にも触れながら、安全啓蒙の視点を保ち続けているところです。 マンガの挿入も工夫が感じられます。複雑なルールを視覚的に理解できるため、頭に入りやすい。フリーランスとして自分の時間管理に厳しい自分だからこそ、新ルール導入前に正確な知識を得ておきたいという思いが強かったのですが、この一冊があれば十分です。自転車ユーザーなら持っておいて損のない、信頼できる参考書だと言えます。
2026年06月01日
SUPER BEAVERのボーカル・渋谷龍太さんによるエッセイ集ということで、音楽活動の裏側やプライベートな思考が垣間見えるかな、と期待して読んでみました。 実際に読むと、日常の些細な出来事や人間関係、ちょっとした違和感を丁寧に言葉にしている作品が多くて、その誠実さは好感が持てます。特に「三十」や「ぱぱー」といった短編は、同じくらいの年代だからこそ響く内容もありました。 ただ正直なところ、全体を通してみると、どの作品も「ほんわか系の随筆」くらいの印象で、心がぐっと掴まれるような瞬間は少なかった気がします。音楽活動という特殊な環境にいる人だからこそ書ける視点が、もっと全面に出ていたら面白かったのかもしれません。 公務員という割と堅い世界で働いている身としては、読みやすくて気軽に楽しめるのは良いんですけど、もう少し個性的な「毒気」が欲しかったというか。無難にまとまりすぎている印象です。悪くはないけど、もう一度手に取ろうかというほどではありませんでした。
2026年06月01日
前作の続編ということで、どんな風に話が展開するのか慎重に確認してから手に取りました。結論として、その判断は正解だったと思います。 古いアパート「浪漫荘」を舞台にした温かい人間ドラマは、相変わらず魅力的です。主人公・門脇暖が漫画家の夢と祖母の思い出の場所を守ることのジレンマに直面する姿が丁寧に描かれており、35歳の自分としても他人事ではない葛藤として読めました。 何より良いのは、猫「ちっちゃいのすけ」の視点を通じた独特の語り部として機能していること。猫らしい無関心さが、人間ドラマの緊張感を適度にほぐし、読み疲れさせません。今回登場する「婚活パーティー」のエピソードも、表面的なコメディではなく、住人たちの人生経験や価値観をさり気なく浮かび上がらせる工夫が感じられます。 会社務めで忙しい日常の中で、このような穏やかで人情味溢れるお話はほっと一息つける良い息抜きになります。シリーズものとしてのバランスも取れており、次巻もきっと手に取ることになるでしょう。
2026年06月01日
仕事での人間関係に行き詰まっていた時期に、この本に出会いました。社会心理学という学問がこんなにも実践的で、かつ読みやすいものだとは予想外でした。 著者は複雑な人間行動を、丁寧に、しかし決して難解にならない言葉で解き明かしています。集団心理、対人認知、説得のメカニズムなど、日常的に経験しながらも言語化できなかった現象が、科学的根拠とともに理解できるようになりました。 特に印象的だったのは、自分の行動パターンを客観的に見つめ直すことができたという点です。職場での判断や人間関係のもつれが、実は心理学的に説明可能なものだったと気づくと、対人ストレスが軽くなりました。新書というコンパクトなフォーマットながら、内容の密度は非常に高く、読み応えたっぷりです。 これまで読んだ人文書の中でも、学術性と実用性のバランスがここまで優れた一冊は珍しい。多くの会社員に、特に人間関係で悩んでいる方に強くお勧めしたいです。
2026年06月01日
凪良ゆうさんの『流浪の月』を以前読んでとても感動したので、この作品も手に取りました。最初は屋上の縁切り神社という設定が少し変わっているなと感じましたが、読み進むうちに引き込まれてしまいました。 血のつながりのない家族が、当たり前のように一緒に生活し、そこに訪れる様々な人たちの物語。どの登場人物も何らかの生きづらさを抱えているのに、この作品全体を貫く温かさに心が救われます。特に子どもたちの素直さと大人の静かな優しさのバランスが素晴らしい。 ボランティアの仕事をしていると、人間関係の悩みや心の葛藤について考えることが多いのですが、この本はそうした複雑な感情を丁寧に描いています。押し付けがましくなく、自然体で物事を受け入れる登場人物たちの姿勢が印象的でした。 文庫本のサイズも読みやすく、何度も立ち返りたくなる作品です。慎重に本を選ぶ方にもお勧めできる一冊だと思います。
2026年06月01日
銀行という組織の内部構造を題材にした作品が話題になっていたので、手に取ってみた。予想通り、優れたミステリーだった。 メガバンクの債権回収部門を舞台に、同僚の不可解な死から始まるストーリーは、単なるミステリーの枠を超えている。著者は金融機関の闇を巧みに描き出し、組織と個人の葛藤を浮き彫りにしていく。管理職として働く自分としても、企業の裏側で何が起きているのか、どんな圧力や誘惑が存在するのかを改めて考えさせられた。 伏線の張り方が丁寧で、各章が粉飾、半導体といった具体的なビジネス用語を題材にしているのも秀逸だ。ただの謎解きではなく、経済小説としての骨太さが感じられる。キャラクター設定も魅力的で、特に過去の恋愛関係が複雑に絡み合う構成は、人間ドラマとしても完成度が高い。 新装版ということで改めて読んでみたが、今日の金融業界の問題を考える際の指針となる作品だと感じた。ビジネスパーソンなら一読の価値がある。
2026年06月01日
武家小説というジャンルに、ここまで人間ドラマを詰め込める作品があるのかと驚きました。直木賞作家が初めて挑んだという『春かずら』、十二年間の仇討ちという重いテーマながら、随所に人情味や葛藤が溢れていて、ぐいぐい引き込まれます。 特に面白いのは、主人公の清史郎と仇の息子・隼人という、本来なら相容れぬはずの二人の関係性です。剣の手ほどきを通じた師弟関係の中で、感情のもつれが生じる様子が実に丹念に描かれている。江戸時代の侍という枠組みの中で、「矜持とは何か」「仇討ちの本質とは何か」といった問いが自然と浮かび上がります。 管理職という仕事をしていると、正解と思い込んでいた判断が、実は複数の視点から見ると異なる価値観を持つことに気付かされます。この作品はそうした葛藤を、見事に小説化している。ラストの清史郎の決断には、単なる勧善懲悪では割り切れない、人生の奥深さが感じられました。歴史冒険小説として楽しむのはもちろん、大人だからこそ味わえる余韻がある一冊です。
2026年06月01日
本格推理小説というジャンルに新たな可能性を見せる作品として、慎重に手に取った次第です。二千年以上前の前漢時代という舞台設定は最初、この手の推理小説としてはやや異質に感じましたが、その懸念は杞憂でした。 気鋭の中国人作家による本書は、歴史冒険小説としての魅力と論理的謎解きの緊密さを両立させています。山中の名家を舞台にした奇妙な殺人事件と、後に発生する新たな事件。二度の「読者への挑戦」は、古典的な推理小説の作法を尊重しながらも、時代背景を活かした独自の工夫が施されている。 特に印象的なのは、古代中国という時代設定が単なる舞台ではなく、物語の論理構築に組み込まれている点です。推理小説としての完成度、そして娯楽性のバランスが絶妙に取れており、週末の読書時間を充実させてくれました。多少の違和感を感じながらも読み進めるうちに、それが意図的な構成であることに気づく快感。中国文学への造詣がなくても十分楽しめる傑作だと思います。
2026年06月01日
最近、書店で見かけたこのタイトルに思わず手が伸びてしまいました。野球という自分も若い頃から愛してやまないテーマに、エッセイと小説が混在した作品という珍しい形式。どんな内容なんだろうと期待に胸をふくらませて読み始めたのですが、いやはや、素晴らしい。 著者のユーモアセンスが光っていて、野球への向き合い方がこんなに面白おかしく、かつ心温まる形で描かれるなんて。軽く読める文体でありながら、ところどころにきちんとした思索の深さが感じられるのが、この手の作品の魅力ですね。 何より、年を重ねた今だからこそ共感できる部分がたくさんありました。人生経験があるからこそ笑える場面、考えさせられる場面。朝の通勤電車や仕事の休憩時間にちょっと読むには本当に丁度いい一冊です。これまで気軽な読書を楽しんできた身としては、こういう気張らずに読める良質なエッセイ・小説はもっと増えてほしいくらい。強くお勧めできる作品です。
2026年06月01日
最近、仕事のストレスが溜まっていたせいか、書店で目に留まったこの本を何気なく手に取ってしまった。アラサー女子向けの旅手帳なんて、正直なところ自分には無関係だろうと思っていたのだが、開いてみると案外面白い。 やまももという動画クリエイターが提案する「ごほうび旅」のコンセプトが、実は年代を問わず刺さるものだった。週末に疲れを癒すための旅、予算15万円以下で日帰りから2泊程度というプランの立て方は、自営業で忙しい身にはぴったり。無理をしない、予約なしで気ままに回るというアプローチも、堅苦しくなくていい。 全国各地の旅プランがイラストや写真で紹介されていて、眺めているだけで癒される。正直「かわいい」というキーワードが中心だから最初は敬遠気味だったけど、実際には景観の美しさ、グルメ、温泉といった実用的な情報もしっかり詰まっている。次の連休はどこへ行こうか、この本を片手に計画を立てたくなった。年齢や性別に関係なく、疲れた時の読み物として良い一冊だと思う。
ネタバレを表示しますか?
この感想には物語の内容に関するネタバレが含まれている可能性があります。