橋本 美月の本棚
感想

芥川賞を受賞したということで、気になってずっと気になっていた一冊。やっと読む機会に恵まれました。 36歳のコンビニ店員という、一見すると地味な主人公。でも読み進めるうちに、彼女の人生哲学の深さに驚かされます。「普通」って何だろう?という問いが、さりげなく、だけど強く心に刺さるんです。 自分も57歳になって、世間的な「普通」への違和感をずっと感じていたので、この作品はすごく響きました。主人公が自分の生き方に誠実に向き合う姿勢って、本当に素敵だと思う。社会的な圧力や他者の評価に揺さぶられながらも、自分のペースを守ろうとする勇気。 短編のようなコンパクトさながら、読後の余韻がずっと残ります。世界中で翻訳されているというのも納得。日本の現代を生きる人間の実存を、こんなに鮮やかに描いた作品、そうそうありません。話題作として読むだけでなく、人生について考え直すきっかけをくれる素敵な本です。

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