近藤の本棚
殺人鬼にまつわる備忘録

殺人鬼にまつわる備忘録

小林泰三 幻冬舎 2018年10月10日

感想

最近、心理描写の深い作品に惹かれることが多くなったので、このエッセイを手に取ってみました。 タイトルから予想した以上に、冷静で緻密な観察眼に引き込まれました。著者がどのようなアプローチで題材と向き合うのか、正直なところ懸念もありながら読み進めたのですが、その杞憂は不要でした。エンジニア気質の私としては、データや事象に対する論理的でありながらも、人間心理への深い思考が交錯する筆致が非常に興味深い。 単なる事実の羅列ではなく、どうしてそう考えるのか、何に着目するのかという思考過程が丁寧に記されていることに感心します。重いテーマを扱いながらも、読んでいて不快感よりも「なるほど」という納得感が勝っているのは、著者の誠実さがあるからこそだと感じます。 ただし、内容の性質上、万人向けとは言い難い部分もあります。心理の闇に関心がある読者、あるいは人間の本質を考察したい方には特にお勧めできます。一読の価値があります。

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